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反転攻勢1

2015/07/25

亀の甲より年の功とは言うけれど、やはり、培われて来た物の差なのかも知れない。
貴方より少し長く地上を踏みしめてみたけれど、やっぱり、貴方には敵わない…。
だから、
だからこそ、思う。
素敵だ。
惹かれる。
この人が好きだ。
心の底から。

コチコチと秒針を刻む音がやけに大きく聞こえる。

「時を刻む音…。貴方と一緒に刻む筈だった時を、今、消化出来ましたね。」

「なるほどな…。そう言う考え方も有る訳か…。」

「時を進めましょう。貴方と一緒に刻みたかった時間を、俺に下さい。」

「ん?」

「即答されなかった、あの時の答えを下さい。
俺は、あれから7年待ちました。これだけ待ったんです。あの時の答えをそろそろ貰いたいです。」

「全てを聞いても、迷いは生じなかったのか?」

「勿論です。俺は、貴方が好きだから。貴方が培って来た物の上に立つ貴方が好きだから。」

「あの時の、『答え』で、良いのか?」

ミロは悪戯っぽい笑みを浮かべる。
その意味が分かった俺は、

「はい。あの時からの時を刻み直しましょう。」

「そうか。
時には理論的よりも、己の信じる物に真っ直ぐ向き合える真っ直ぐさが必要な時も有る。俺は、そう言う自分に正直な奴は嫌いでは無い。
何が有っても、己の決めた事を信じれるか?」

「勿論です。」

「次は、それからの、空白の時を刻めば良いのか?
俺の宮の掃除、年明け迄に間に合わないかもな…。」

「此処は、ゴホン。俺の宮はもうこれで良いです。
貴方の部屋を掃除しに行きましょう。」

俺の言葉にミロは換気の為に開けていた窓を閉め、カーテンを引く。

此方を向けば、ミロの後ろに緋色が広がる。

「貴方には、やはり緋色が…真紅が似合いますね。
貴方の為の色だ。」

緋色を背に立つミロに近付き、両腕の肩の辺りに自分の手を優しく掴む様に添える。
一瞬、ミロはたじろいだが、

「後ろに下がると引っ張ってカーテンが外れますよ。余り身を引くと凭れちゃって窓が割れますよ。
俺の部屋なんで、止めて下さいね。」

悪戯っぽくそう言うと、

「高姿勢だな…。」

「俺、真っ直ぐなんで。決めた事を突き進む質なんで。それに………。」

「大人なんで。」と、言い、自分で自分の口を塞ぐ。塞ぐ物は目の前の唇で。

7年待って、良かったかもな。
だって、昔の俺と違って、背伸びしなくても口付けるのに簡単に届く。

優しく合わせる位で唇を離す。

宮を出て、階段を下りながら、何と無しに他愛もない会話をする。

「掃除に年を跨ぐかも知れんな。」

「良いですよ。新しい年を迎えるのに二人で迎えられるじゃないですか。」

あ、ちょっと頬が紅潮した。可愛いかも。

「やっぱり、紅が似合いますね。」

ニヤケ気味になりながら、つい、口から漏れてしまった。

「はぁ?」

「新しい年を二人で迎えましょうね。
さっきの続きはその時で。」

横に並ぶミロの顔が勢いよく此方を向いた。

凄い勢いで金の髪が流れた。
今の、聖衣のヘッドパーツ被ってるバージョンで見たかったかも。

勢いよく此方を向いたミロの顔は、

表情が固まってる。やっぱり、この人可愛いよなぁ。

ニコニコしながらその顔を見詰める俺に、ハッとしたかと思うと、キッと睨み付ける。

そんな苛まれたって動じませんよ。だって、そんな顔も可愛いんですから。

今の上機嫌の俺に怖い物なんて無いんです。
それに、俺、貴方の全てを受け入れるんで。
怖い顔も可愛いんです。
ちょっと可愛い連発し過ぎ?
良いんだよ。だって、俺、ミロより歳上だもん。

だからって、流石に口に出すのは、…駄目かなぁ?
やっぱり、怖いよ?何と言っても、この人、蠍座様ですから。

ちょっと試しに、「そんな怖い顔しても可愛いだけですよ。」って、言ってみたら、
ほらねぇ~!
やっぱり、そう来たよ!
鳩尾に鉄拳食らったぁ~!
でも、何か嬉しいのは、二人の間柄のせい?
7年経っても芽生えたMは健在の様だ…。

痛みに鳩尾を押さえ、息が出来ない苦しみに、然れど、顔は涙目で笑顔なカオスな俺に、
ちょっと引かれた?
何か、たじろぎ気味なミロは、
そんな俺を尻目に、はや歩きで歩きながら

「とっ…年が明けたら…、お前の誕生日が直来るだろう!
お、俺より歳上になったお前に、祝い品だ!
手ぶらの体一つで祝いに駆け付けてやる!待ってろ!」

そう言い、言い終わると、一目散に駆け出した。

その言葉が意外だった俺は、放心気味で聞いていて、ボーっと走り去る背中を見詰めていたが、ハッと我に返り、その背中を追いかけて駆け出した。
本当、俺は、一人「待てよぉ、コイツゥ~。」が好きだな…。
好きでやってる訳じゃないけどね…。

誕生日迄お預けかぁ…。何処迄なら、日付変わる時許してくれるかなぁ?

等と考えながら、中々縮まらない距離で後を追いかけていた。

やっぱり、俺って、白鳥座の星に導かれる運命だったんだなぁ。
だって、白鳥座は、発情ゼウスの化身なんだから!常に繁殖期上等だよ!
アイザック…。すまない…。けど、お前には白鳥座は合わない…。仕方なかったんだ…。だって…、
お前はもっと…、清楚なお嬢さんなタイプだ!

お終い。

エピローグ

無事、21歳の誕生日を、最高のプレゼントを貰って迎えれた俺は、ミロと我が師達の墓参りに来た。

ミロは仲間の墓石に花を供え、やはり、何か話しかけている。

俺は、我が師に、ミロとの事を報告した。
大切にしますんで、安心して下さい。

チラリとミロの方を向けば、ミロはサガの墓石に白薔薇を供えていた。

…白薔薇?アフロディーテの墓石じゃなくて?

サガの墓石から此方に、我が師の墓石の前にやって来たミロは、我が師の墓石に黄色の薔薇を供えた。
優しく微笑んで、

「忘れないから…。だから、な…。」

と、呟いた。

立ち上がり、「帰るか。」と、言われたので、我が師の墓石に一礼して、その場を後にした。

白薔薇は、ホワイトカーネーションの父の日版。
黄色の薔薇は…「笑って別れましょう。」

感慨深い気持ちになった…。
我が師…、俺が必ず幸せにします。

白薔薇をサガの墓石に供えたのは…、

「義理父に挨拶は?ああ、まだ君に『義理父さん』とは呼ばれる筋合いじゃあないな!」

同じ顔の同じ双子座のお父さんが居るからかぁ!?

終わり。





捲土重来15

2015/07/25

それに、純白故の、純心さも表していたのだろうな…。

己を見失ったカミュはな…。ドアを開けた俺に飛び付いて来た。
勢いで倒された俺に、カミュはすがり付いて、滂沱して想いの丈をぶつけて来た。
組み敷いた体制で乱暴に男故の慕情を解放したがな…。あれは…未遂だ。

「未、遂…?」

魔の皇帝でも、純心な恋慕を弄ぶ様な真似はカミュの精神力の前に出来無かったのであろうな。

「我が師…。」

咽び泣いてないで、最後迄聞けよ…。

「ず、ずびば、ぜん…。」

鼻、かめよ…。

水を差す様な話になるが…。
あれは…、どっちかは分からんが、サガがカミュを哀れに思って歪んだ手助けをしたのか、黒い方のサガの暴挙にサガが抗ったのか、だったのかも知れんな…。

押し退ける、事も出来ただろう…。
出来無かったのは…、………。

(な、何なんですか…?その無言は…。)

俺の上でカミュは途中で気を失ってな…、放心していた俺もそのまま何も出来ずに、そのまま、只時が過ぎて行って…、我に返ったカミュはな…、青ざめて唇を戦慄かせて…、弾かれた様に飛び出して行って…、そのまま一度も顔を合わせずにシベリアに向かったんだ…。
俺の話も、何も聞かずに、な…。
日記、読んだのだろう?

「…はぃ…。」

未遂だと言うのに…。謝意ばかり書いてな…。
あのページを、後で破ってしまったのは…、本心を書いてしまった、罪悪感からか…。

(経緯はどうで在れ…渇望する相手を抱いた事に欲望を満たされた達成感が有るのは、致し方ないだろう…。
それは…、この人も理解しているんだ…同性…故に…。)


「どうして…、知っているんですか…?日記を破って有る事とか…。」

ある程度は片付けたからな。無人になった宮を…。皆で。個人的な物や大きい物は手付かずだが、ある程度の物はな…。流石に下着とか、置いていても仕方無い物や、食品とかな…。

「それで、衣服が無かったんですね…。
あれ?じゃあ、7年前の食品とかって言ってたのは…?」

捨て忘れてた物が有るかも知れないじゃないか。そんな徹底して片付けた訳じゃ無いからな。

(………。ずぼらだなぁ…。)

破られた日記の紙片を見付けた時にな…。
その場で情に流されたり、絆されたりする事は…、相手に対する優しさの様で、そうでは無い場合も有ると…。
あの時も、己の感情を優先させずに、サガが其処に居る事に疑問を…、いや、疑問は持ったんだ…。だが、己の快然に蓋をしてしまった…、あの時、違う選択をしていればな…。違う結果だったかも知れなかったのにな…。
そんな苛まれた思いを己の口で語るのは…、それ相応の覚悟が、要る、な…。」

(………。だから…話す事に、聞く方も覚悟を持てと言ったのは…。そうか…。
カノンに対しても…。あの頃のこの人は、私情に流されたりしない様な律した聖闘士だったからだろうけど、…サガの事が有ったから、余計流される事も無く徹したのかも、な…。)

俺の様に、無意識にでも顔を伏せ気味にならずに語れるのは、真摯な覚悟って言うのは、こう言う事なのかも知れない…。

続く。






捲土重来14

2015/07/25

「ややこしくならん様に、時系列通りに話していこう。
かなり昔に遡る、俺が聖域に来るより前の話だ。
カノンの事だが…、サガとカノンは、まぁ…兄貴みたいなものだ。

(兄貴!?)

勿論、当たり前だが、血縁は無い。
親の事情は知らんが、俺は私生児だった。親の関わりは知らんが、昔、縁が有ったからとか何かで、育てられなくなった俺をサガとカノンの両親が引き取ってくれた。
長く修行したお前達にしてみれば不平等な話になるが、幼くして黄金聖闘士になった俺達は、大して長く修行する事も無かった。星の導きと言うものだろう。持って生まれたもの覚醒した後は直ぐだったからな。
だから、割りと長く聖域外で、あの双子と過ごした記憶は有る。
特に、カノンはな…。サガと違い聖域に縛られる事は無かったからな…。双子が聖域に連れて行かれた後も度々顔を出しに生家に戻って来ていたしな…。後で分かった話だが、それは、脱走していただけだったのだが…。
そう言う訳だ。お前が何故俺達が仲が良いのか?と、聞いていたろう?
俺達も再会と言うものに時が流れ過ぎた。サガの事も有るからだが…カノンには因果応報と言おうか自業自得と言おうか…だが、失われた時が長い…。それを埋める為にな…。
俺とて、あの頃と事情は違う…ならば、兄弟、家族…共に居たいと思っている…。

(そんな理由が…。何時も一緒なのを頻繁に見かけたのは、家族、だから…か…。)

順序だてが変わるが、あの時の男な…。
お前が言う様に、確かに、あれはカノンだ。
訳は…、まぁ…。先程聞き出していたのだがな、サガに対する嫉妬や嫌悪や当て付けか…。まぁ、そう言う、世界を巻き込んだ、とんでもなくどうしようもない兄弟喧嘩故に…だな。
あの頃ならば、呆れたでは済ます事にはいかぬが、今ならば、な…。
それに、サガもカノンも既に贖罪は済んでいる。

(………。確かに、今のあの双子を責める様な事は…。)

あの丘だが…。
あの丘はな、聖域に来てから、度々サガやカノンに連れて行ってもらっていたんだ。カミュやムウ達と遊びに行った事も有った。
カノンがいなくなり、サガが姿を消して…。その後もな…。
俺は、サガが教皇に成り変わっている事は気付けなかったが…。あの丘で何度かサガに会った…。
何も語ってはくれなかったが、昔の様に優しい目で、優しい手で…。
怖いサガに会った後は、何時もサガは哭いていて…。怖かった事や嫌だった事を忘れさせてくれた…。
何が有ったか、何を忘れたか…。サガが自害してアテナが君臨された後に思い出したが…。全て語らずとも…お前も察しは付くだろう…。それすらも、つい最近迄忘れていたのだがな…。

(………。苦笑が痛々しい…。)

一度だけな、其処にカノンが居るのも見かけた事も有る。
何も言わず、俺の方を振り返る事も無く、立ち去ったのだがな。
後で聞けば、やはり、それはカノンで…。あの時はまぁ…兄弟の仲で色々有った時だからな…。

(………。本当に、サガとの確執だけだろうか?サガが消した記憶の事をカノンは知っているのでは…?だからこそ、あの時に…。
そう思ってしまうのは、俺がミロを想う余りに邪推してしまうだけだろうか…。)

カミュの事、だがな…。

(!!)

中には、何も語らないカミュの内心を、本人が何も語らない以上憶測に過ぎないが…、まぁ、察していた者も居た、様だな。
カミュも、俺も、まだまだ子供で、年長の者には力が及ばなかった…からだろうな…。
あの日、カミュはな…。出向前に教皇の間に挨拶に行った。その帰り、だった…。
前日に貰った白いアイリス。
意味は………。

「『恋人を大切にします』…。」

そうだ…。
勿論、俺達はその様な仲では無い。
あれは、カミュの…。それ位想っていると、何時会えるとも知れぬと、最後に全ての想いを形にしたのだろう…。

続く。


捲土重来13

2015/07/24

一つ、一つ、ゆっくりと、もう一度、言葉の流れだけだけど、あの時の二人が共有した時間を、再び目の前に…。

思い出したのは、我が師との事だけ…。

窓枠に腰かける貴方の両脇に、風に揺れる緋色が靡く…。

二人の間に、お互いに温め合う様な愛や恋と呼べる様なものは無く、我が師の情熱と、この人の…、…だったとしても…。
緋色が、我が師を思い出させて…、我が師が決して離さないと、包み込む様な錯覚を覚え…、俺の心は荒波が起つ…。

「貴方に、もう随分昔の事になってしまいましたが…、我が師の墓石に供えた花の話を聞いた後に…、我が師の秘めた想いを、憶測だったけれども…俺は気付いた…。
どんなに心が乱れたか…、貴方には、分からなかったでしょうね…。
貴方を想う気持ちは、我が師の事を思えど、止まる事は無かった…。だから、だからこそ、知りたかった…。
貴方が何も語らない我が師の秘めた想いにどうやって気付いたのか…。
貴方は後悔しない覚悟を持って聞けと、言った…。
後悔しない覚悟…。たじろぎましたよ?勿論。でも、俺も本気だった。貴方が出した条件に見合う程の覚悟を決めました。
核心を聞く前に、貴方は、記憶を無くした…。
冥界で会った時に、聞き覚えが有る声だと思いました…。
あの時の謎の男は…、カノン、ですよね?
あの時は、サガのふりをしていた、けれど…、カノンですよね?
何故、なんです…か?
何故、カノンはサガのふりをして、貴方の記憶を奪ったんです、か…?
何故、何度か記憶を奪われた、経験の記憶が、有ったんです、か?
何故…我が師は、貴方に…。何故、想いを伝えずにいた我が師が…、貴方に、迫ったんです、か…?
俺が、貴方に、聞きそびれた、事です…。
俺と貴方が、共有する筈だった、止まった時間です…。
俺は、あの時と、想いの熱さは変わってません。何を聞いても、貴方の全てを受け止める覚悟は変わってません。
今の俺は、あの時よりも、ずっと大人で、勢いに任せた、若さに任せた真っ直ぐさでは無く。
貴方よりも、少しは、この世に生を受けて、過ごして来た時間も長い…。
貴方の全てを聞ける度量位、自負しても、良いですよね…?
貴方の全てを受け止めたい。受け入れたい。包み込みたいんです…。」

「そうか…。
ならば、
顔を上げろ。水瓶座!」

名前では無く、アクエリアスと呼ばれ、何故かと疑問が浮かびながらも、話している間に、無意識の内に伏せ気味になっていた顔をミロに向ける。

「此処は、お前の宮だ。
水瓶座はお前だけだ。
師を敬仰する気持ちが心に有るのは結構。
だが、前を向け。俺を見ろ。
この紅は、カミュでは無い。
俺の紅だ。
カミュが置いた紅でも、正真正銘、俺の紅だ。
お前にも分かるだろう?間違いなく、俺の紅だ。
俺の紅を前にして、目を逸らすな。
あの時、お前は言っただろう?
グズグズしている間に譲れと言われたら譲るのかと問われたら、否!と。
お前自身が言った事だろう?
グズグズしている間に、譲りたくないものは、水瓶座だけか?他には無いのか?」

話す間に伏せ気味になる顔で、全てを悟られる。

今から、この人は、否と言うにも真摯な思いで、全てを語るにも俺以上の覚悟を持って、口を開く事になるのに…。
やはり、貴方は、それに誇りを持つ、凛とした黄金聖闘士です。何時、如何なる時も、貴方の生きざまは美しい。

「今、お前が話した、口にした言葉に偽りは無いな?」

「はい。」

「良い返事だ。
その響きに偽りは無いだろう。
話してやろう。お前が知りたい全てを。」

続く。

洗濯機止まった(・ω・)ノ



捲土重来12

2015/07/24

真っ白になったジョーの様になってどれ位時間が経ったのだろうか?

開け放ったままのドアから、水場の方を掃除して戻って来たミロから中が見えたのだろう。

「おい!家主!お前、人に掃除させといて自分は何休んでるんだ!?」

ドアから一歩足を踏み入れた辺りで仁王立ちして、そう俺に言う。

脱け殻の様な顔でその人を見上げる。

「どうした?」

俺の状態に不思議に思ったのか、俺の近くに寄り何か有ったのか問う。

脱け殻の様になったまま何も言わない俺の手元に気付く。

「それか…。」

原因に納得した様だ。
俺の後ろ側になる、開けられた窓の枠に腰かける様に体を預ける。

「ショックだったか?お前の師の、お前の知らない、強い面以外を知る事になって…。」

違う…。そんな事じゃない…。これを書いた時の我が師はまだ少年だったんだ。師の顔以外の只の少年の面が有るのは当然だ…。
そんな事でショックを受ける訳が無い…。

「違いますよ…。これを書いた時の我が師は、まだ少年だ。未成熟な所を持ち合わせていても当然です…。」

「ほう…。お前も本当に大人になったんだな…。
ならば…、俺にか?それとも…、二人共にか?」

「…そうですね…。お二人に…、お二人の間に起こった事に…ですね。」

確かに…我が師に対しても、だけど…。それ以上に、貴方に対してのショックの方が遥かに大きい…。

「そうか…。まぁ…当然、だろうな…。」

「貴方は…。貴方は、平気、なんですか…?その…、心に傷を負ったりは、しなかった…んですか…?」

「心に、傷…か…。まぁ…無いと言えば、嘘になるが…。
俺は、お前の師に…、カミュに対して嫌悪を抱く様な事は全く無い。
勘違いするな?俺が、あの時、カミュに対して後れを取る様な事が有ったと思うか?」

「…それは…無い、でしょうね…。少なくとも、力負けする様な事は無かったでしょう…。同じ年頃の同じ黄金聖闘士だ…。」

「そう言う事だ…。」

「じゃあ…、同意…の上、だったんです、か…?」

「同意か…。同意の上かと問われれば………。」

何故、黙るんですか…?

二人共無言のままに時計の針が進む。
先に口火を切ったのは、俺だ…。

「 話したくない事ならば、無理には…。」

どう表現すれば良いか分からない感情で震える全身を抑え込んで、思う様に止められない震える唇で声を無理に絞り出す。

「話したくないと言えば、話したくはないな…。好き好んで話す様な内容では無い、からな…。
けど…。
………。聴こえたよ、お前の声。」

「え?」

「嘆きの壁の前…。お前の心の叫びが聴こえた…。海からの声が聴こえた。忘れていた俺には『何、生意気な事を』と、思ったが…、思ったが、嬉しくも思ったんだ。何故、そう思ったかは、分からなかったがな…。その時は。」

「思い、出したんです、か…?」

「………。どうだろうか…?
俺に分かるのは…。
昨日、お前が水瓶座の聖衣と心を通わせた時にな、お前が海から戻って泣いた時、似た様な記憶が有るなと思ったのが、何故似た様な記憶が有るのか…思い出した…。何故、忘れていたのかを思い出した…。
それを、思い出したら…、記憶は曖昧なままなんだがな…、お前の心の声の意味が分かった様な気がした…。」

「それじゃ…まだ…。」

思い出したのは…、我が師の事…、だけ、ですか…?

「そうか…。やはり、全ては思い出せてはいないのだな…。
だが、お前の心の声の意味は分かった…。だから、何故、嬉しく思ったのかも、理解出来た…。
これ位しか、言える事は無いが…、言える事の全てだ。これだけ言えば、お前も察しても良いと、俺は、思うのだがな…。」

「なら…、俺が、貴方の忘れた事を、もう一度話したら、ちゃんと、聞いてくれますか?」

続く。

まだまだ続くんだよ、これが(>_<)
伏線回収業をやらなくては…。
冷蔵庫、洗濯機、エアコン、編み機、ミシン等~。古新聞、古雑誌、ボロ、鉄屑等御座いましたら~。やらなくては(・ω・)



プロフィール

尾羽っSUN

Author:尾羽っSUN
オバハンが言いたいけど他で言えないって事をほざいてます。
主に腐話。主に聖闘士星矢。主に脳内妄想。
カミュミロが主のミロ受けがメインです。
他にはぶちまけたい愚痴とか、大好きなゲームの話題とかetc.

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