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ヒュー♪と冷やかしとも思える様な響きが二人を思わず響きがした方に顔を向けさせる。

「何と言う妖艶さを漂わせた表情と仕草だろうか。端から見ててもゾクゾクするよ。」

「アフロディーテ…
デスマスク…。」

「家路に着く友の見送り…なのだろうが、自宮を易々と離れる事は感心しないな、ミロ。」

「ムッ…。
お前だって自宮を遠く離れてこんな所迄下りて来ているてはないか。」

「私は、否、我々は教皇から許可を得ている。教皇直々の命を全うする為にね。」

「そう言う事だ。とっと自宮に戻る事だな。
それともあれか?自分で着けた火が燻り始めてるってなら、本格的に燃え上がる前に奥で鎮火させてやっても良いぜ?」

「生憎だが、今はその必要は無い。またそう言う時がくればお相手願おうか。
聞いての通りだ。聖域を出る迄見送るつもりであったが、自宮を離れる事が許されないと言うのならば仕方がない…。
ここでお別れ…と言うのも名残惜しい事この上無いが、達者でな。カミュ。」

「いや、その気持ちだけで十分だ。ミロこそ…達者でな。」

ミロはカミュと別れの挨拶をすると、躊躇いも無くマントと背に流れる豪奢な金の巻き髪を翻しながら踵を返すと自宮に戻って行った。

「おやおや。『人前で何て事言うんだ!』って真っ赤になって狼狽するかと思えば…、随分と“成長”したもんだ。」

「戯れはそれ位にしておけよ、デスマスク。
彼にとっては秘め事にする様な事でも既に無いと言う事だろう。
彼が蠍座の宿星の下に生まれたであるが故に…な。」

「まぁ、ほっといても紅い巨星が目覚はしたんだろうけど、彼奴があんななのはやっぱり早々に埋め込まれた………。」

「カミュ。私では代わりにはならないかも知れないが、隣人のよしみだと思ってくれないか?
我々とて君と、仲間と再会出来た事は嬉しい事だし、また君が聖域を後にするのは名残惜しく思っているのだ。
君を見送らせてもらえないだろうか?否、断られても聖域を出る迄一緒させてもらうよ。」

「私は一向に構わないが。寧ろ、仲間に見送られて嬉しく思う。ありがとう、アフロディーテ。」

「じゃあな、カミュ。達者でな。また顔見せに来いよ。」

「ああ。貴方も達者でな、デスマスク。」

アフロディーテとカミュは二人で巨蟹宮を抜け、白羊宮を抜ける迄他愛も無い事を、主にカミュの育てる弟子な修行の日々がどうであったかを話しながら下った。

白羊宮を抜け暫く歩き続け、もう直聖域を出るかと言う位に差し掛かった時にアフロディーテが口を開いた。

「君も、蠍の毒にあてられた様だね。」

「何の事だ?」

「そう。一見表情一つ変わって無い様にしか見えないが、我々が微妙な微々たる変化も気付かないとでも思っていたのかい?
伊達に我々は君達より長く黄金聖闘士として君臨してないのだよ?」

カミュは相変わらず表情一つ崩さずアフロディーテの顔を話の続きを聞こうと無言で見詰める。

「『何の事だか分からない』とでも言いたげだね。
まぁ良いさ。
君も驚いただろう?ミロの成長っぷりに…、
それよりもミロの妖艶さが漂う色気に。
あれは蠍座の宿星…
と、言いたいところだが、否、勿論それも有るが、彼がそれだけの理由で済まされない程の妖艶さと色気を醸し出すのは、彼にそうならざるを得ない様に植え付けられているからだよ。
分かるかい?真っ新な土壌に種を蒔き種が芽吹き、芽吹いた物が育つ様が。
その真っ新な土壌に蒔かれた種から芽吹いた物の成長を加速させる事があり、宿星も込みでミロの本来的なものと相重なり、今の彼となった…と、言う所かな?
只、蒔かれた種が何であり、芽吹いた物の成長を加速させたのが何であり、…その種を撒いて成長させたのが誰であったかは、自分で考えたまえ。」

「何故、貴方は私にその様な事を?」

「さぁ?
おや、もうこんな所迄来ていたのか。この先には今日の私は行く事が出来ない。
カミュ。久しぶりに顔を見れて嬉しかったよ。また顔を見せに来たまえよ。
達者でな。」

「貴方も達者で…。」

カミュは弟子の待つシベリアの大地に帰って行った。



「あの時、お前に『言葉が拙いだけ』と言われたが…。
例え言葉が拙いだけで本来意味する事とは全く違う意味だったとしてもだ…。
己が吐いたその言葉。発言したからには発言した者に責任が有る。
フッ、そんな昔のお子様の戯言に責任等と…と、思うか?そうだろうな。普通ならそうだろう。
だが、この蠍座のミロ。己の発言に無責任な事等、例えアテナがお許しになられても自分で自分を許せん。
以前に言った有言実行、…は貫き通させてもらう。」

『貫き通させてもらう』と、ミロはニヤリと口角の上がった自分の唇を紅く伸びた爪でスー…と撫でる。
その仕草もさる事ながら、カミュが物凄い衝撃を受けたのは、ミロの、自分を獲物と、標的として捉えたと言わんばかりのその眼差し、瞳が発する光…。
カミュはそのミロを目にし、一際妖しく真紅の妖星が瞬いた様な錯覚を覚えた。
ゾクゾクする…。
己の手でその妖星を更に妖しく淫靡に瞬かせたいと言う感情が沸き上がる。

もう直ぐ巨蟹宮に差し掛かるかと言うその場での出来事。
カミュが、ミロが、どちらが先に次の動きを見せるか…と、言う時に、逸早く動いた者がいた。
それは二人のどちらでも無い人物。
アフロディーテと巨蟹宮の主デスマスク。



その後の話題はミロが豆台風で在った頃のミロにとっては手厳しい思い出話で、肝心要のカミュが知りたい事がミロ本人の口から出る事は無かった。

モヤモヤする胸の内を自分からサラリと口にしようか?
そうカミュが思った時だ。

「そう言えばだな、カミュ。」

「何だ?」

「お前は覚えているか?」

「何をだ?」

「俺がまだチビだった時の事だ。
お前が弟子を取り聖域を発つ前、最後に交わした言葉を。」

「ふむ…。」

ハッキリと覚えている。
何時もは何を騒いでいようが取るに足らないと相手にしよう等と思う事も無かったが、あの時は自分でも驚いてしまった位に、つい足を止めてミロの言葉に反応してしまったのだから。

だが、「はて?何だったか?」と、端から見れば考えている様にしか見えない素振りをする。

「俺は鮮明に覚えているぞ。
何時もは知らぬ顔のカミュが歩みを止めて俺に話しかけて来たのだからな。
あの時の俺にとっては、初めてカミュの関心を持った…、言うなればカミュの無関心を止めさせた小さな勝利だったからな。記念すべき一歩前進だったからな。」

「何だ…。そんな理由だから覚えているのか…。」

「そんな呆れた様な顔をするなよ!だから、『あの時の俺にとっては』だと言っているだろうに!」

「その様に剥きにならなくとも理解している。
それで何だ?あの頃の自分が恥ずかしいと言う話か?」

「いや…、そうでは無い。」

眠いッス(+.+)(-.-)(__)..zzZZ






モヤモヤする胸の内を抱えたままカミュは翌日帰路に着く事になる。
聖域を後にする為に長い長い階段を下る途中、見送りの為に自宮にカミュが差し掛かるのを待っていたミロに出合う。

「もう戻るのか。名残惜しいが弟子を一人にしたまま長く家を空ける訳にはいかぬものな。
だが、弟子も一人で留守番出来る程の歳になったのだ。また、たまには顔を見せに来てくれ。」

「ああ。いくら留守を任せれる歳にはなったとは言え長く一人にさせておける程の歳でもないのでな。
それに私と弟子の本来の目的は聖闘士になる為の修行だ。それを怠る訳にはいかぬからな。」

今日のミロには昨日の様な淫が含まれた様子は見られないな。と、カミュは思いながらもその内なる考えを微塵も外に出す素振りも無く応える。

「全くその通りだ。
折角だ。久しぶりに会えた、また何時会えるとも知らぬ友の見送り位はさせてくれ。」

ミロの申し出を断る理由も無いので、カミュはミロと共に大した事も無い雑談を交わしながら長い階段を下る。

「しかし、本当に見違える様に成長したな。」

「またその話か…。余程カミュには予想外な事だった様だな。」

「また」とは言ってはいるが、うんざりしたり心底嫌がってる訳では無く、その話題を切り出されたミロ本人は愉快そうに応える。

「俺自身もな、ここ迄立端が伸びるとは、あのチビの頃には想像もしなかったさ。そうなりたいとは思ってはいたがな。」

ミロの話に無言で此方に目を向けるカミュに、聞き流している訳では無く続きをきちんと聞こうとしているのだと理解したミロは話を進める。

「リアやシャカ達、同じ年齢の皆より二次成長の兆しが見え出すのが大分遅かったのだがな。兆しが出てからはアレだ。皆に後れを取っていた焦りも無くなっていったし、焦りが無い分俺も…今に思えば本当に小っ恥ずかしいが…、癇癪も起こさなくなった。
身体だけが成長しても中身が祖食わないとな…。けどな、無理に焦って大人ぶったり…した時も有るには有ったが…
まぁ、自然とな、中身もそれ相応な成長をした訳だ。
成長したら自覚も出て来る。黄金聖闘士としてどう在るべきかと言う自覚がな。
幸いにも周りは立派な黄金聖闘士の手本とも言うべき先輩だらけだ。特にさ、ほら、一人突出して真面目な立派な黄金聖闘士の在るべき姿ってのを体現してるのが居ただろ?嫌でも黄金聖闘士としての立ち振舞いが身に付く訳だ。」

ミロは時に照れ笑いや冗談めかした言い方を交え、カミュとミロの空白の時間の間に在った事を語っていく。

「そうだったか。」

成程な。と、カミュは言葉を返すが、
カミュが本当に知りたいのはミロの成長過程だけでは無い。



その夜、弟子を残して来た土地にとんぼ返り等と言う事はせずに自宮で横になったカミュは日中有った事を考える。
考えると言うよりも、嫌でも頭に過ってしまうと言う方が的確な表現である。

確かに…、その様なものが生じる様な事とは無縁な生活を送って来たカミュにとって初めて直面する事で有り、過去の積み重ねや経験から学び、知っているものでは無いのは致し方無い事ではあるが…、
だが、過去の積み重ねや経験が無くとも分かる。本能が知っている。本能が教えてくれる。
自分がミロを見て惹き付けられたのは…
間違いなく、生き物のが持つ本能と欲求。
沸き上がる雄の感情。
あの時、何で有るか漠然としか、自分でもよく分からないもので有ったものの正体を知ってしまったら、もう抑えは効かない。
点と点が線で結ばれる様に次々と答えが沸き出て来る。
しかし、それと同時に新たな疑問も沸き出て来る。
だが、そんな沸き出て来る疑問の答えも分かっている…。

ミロの瞳の奥で艶っぽく燻っていたものの正体は、間違いなく高ぶり消火された残り火…。
そう、性的欲求が高ぶり消火された残り火だ…。
では、何故ミロがあの場でその残り火を燻らせた瞳をしていた?
答えは簡単だ。あの場でミロに高ぶる様な事有り消火される様な事が有ったからだ。
着崩した様な感じで羽織られた衣服も一度その衣服を脱衣したからだろう。
では、何故一度衣服を脱衣したのか?そして、何故脱衣したからと言ってきっちりと着衣しなおされて無いなかったのか?
何故?
その様な事、何故か?等と考え無くとも答えは明白だ…。

あの場…
自宮の一つ上の宮…この十二宮の最後の宮の双魚宮…
その宮の主と…その宮の主のアフロディーテとミロが情事に及んでいたと言う事…だ…。
事後のミロの欲情した内面と体に残る燻りがきっちりと着衣しなおす事を億劫にさせたのだろう…。

疑問と答え…
次々と浮かぶ疑問に正確な解答…
カミュはそんなものが欲しくて頭に過るものをより深く追求したのでは無い。
本能が欲したのだ。
本能が惹き付けられたのだ。
事後の艶やかな残り火の燻りを漂わせるミロの姿に。
そのミロに己の雄の感情が沸き上がったのだ。
だから、抑え切れない答えを知りたい疑問が沸き上がる。
只々ミロとアフロディーテが情事に及ぶ理由が知りたい…。


プロフィール

尾羽っSUN

Author:尾羽っSUN
オバハンが言いたいけど他で言えないって事をほざいてます。
主に腐話。主に聖闘士星矢。主に脳内妄想。
カミュミロが主のミロ受けがメインです。
他にはぶちまけたい愚痴とか、大好きなゲームの話題とかetc.

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