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「『な・ん・で』と聞かれたら、其処にミロが居たからだ。としか答え様が無いのだがな。」

「はぁ?遺伝子レベルで同一人物とか言われても見た目とか全然違うのにイケる訳?絶対納得出来ないんだけど!」

「むぅ…。私だってあれが本当に現実に有った事だとは思いも因らなかったのだ。」

「何それ?お前、起きてる時に理解不能な出来事に出会したら夢だと思うのか?何?お前、起きて歩いてて何か起きたら『あ、今、私は寝てるんだ』とか思う訳?」

「そんな事が有る訳無かろう。就寝してから起こったんだ。夢を見ていると思っても致仕方あるまい。」

「そ…!…うなのか?本当に…?な、何それ?後付け?後付け?言い訳する為に後付け?」

「後付けでも言い訳でも無いつもりなのだが…。仕方ないだろう!『どんなタイプの人が好みですか?』と聞かれたら『好きなタイプはミロです』と答える私なのだ!ミロならばどんなミロでも私のタイプ!好きな人!全てのミロが私のものだ!」

「お前、良い事言ってる様で言ってる事無茶苦茶だぞ…。」

「例えお前が犬になっても猫になっても石になっても草になっても、私のミロだと愛する自信が有る!」

「「「おぉ~。」」」

久しぶりに聖域声楽隊のハーモニーが聴けました。

「………。納得…、いかないけど…、ご、誤魔化されてやるよ…。フンだ…。」

「ところでさぁ?あの子、何でミロの服の中に居たの?」

「よく分かんないけど、其処が良いみたい。しょっちゅう服の中に入って来るし、腰にぶら下がってたりしてるんだよ。」

「其処は私の定位置だ。ふむ。流石我が子、私と好みがソックリだな。」

「恐ろしい位の父親優勢遺伝子だな…。」

「フフフ。親子三人、家族揃っての生活が楽しみだ。天蠍宮に住むか、宝瓶宮に住むか…。家族が増えたのだから増築してミロの宮と私の宮の間の宮も我が家にさしてもらおうか…。」

「止めてくれ。俺やアイオロスがホームレスになってしまう…。」

「ケチくさいな。パ~っと結婚・出産祝いとしてくれても良いだろうに。」

「ケチとかそう言う問題ではない。」

「ねぇ。」

「む。何だ?我が息子よ!お父さんに何でも言ってみなさい。」

「此方の母さんと父さんに会えたから、母さんの所に帰るね。」

「え?もう…?」

「うん。母さん、会えて良かったよ。」


あ、夕飯作らないと…。



ご都合でいかないと収集が着かなくなり、カミュがそんな夢を見たと思って居た事は実は実際に起きた事で、その事実はつい最近の事で有ったが紅い髪のミロが居る次元ではかなり前に起こった出来事で有ったと。
かなり前の出来事だとしても、年齢的には姉さん…よりも姐さんの方がしっくりくるぞ。な、姐さん女房…。
ハハ、見ろぉ、エイ/ダとレ/オンの様だぁと、ムス/カ的な気分になるが、カミュは残念ながらヘタレオ/ンの様な残念なイケメンでは無い。
そうだったのか…。と、一部落ち着いた感が有るけれど、納得出来ない人が一人。

「お前等さ、妙に納得してるけど、俺、全っっっ然納得いかないんだけど。」

「もう君も納得したら?ご都合主義で良いじゃないか。」

「納得いくか!その相手が俺本人だったからって、な・ん・で、子供が出来る様な事に雪崩れ込んだんだろうね?」

「納得いかないのは其処かよ!」

「そう言えば、先程もコイツが一番拘った部分は髪の色だったな。お前も俺の事は言えんな。お前も確実にズレている。」


4時起きで眠いです(>_<)急に睡魔が…(+.+)(-.-)(__)..zzZZ二度寝します(-.-)Zzz・・・・


そう言えば!27日にムウ様HAPPY BIRTHDAY( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆を忘れておりました(/≧◇≦\)一応、旦那さんには言っといたぜだぜっ!言っただけ、だぜっ!


「そう言えば…。
女性のミロに会った気がする…と言うか、そんな夢を見た記憶が有るのだが…。」

「それだ、それ。」

「お。解決だ………」

「してない!解決してない!」

「出会った瞬間にスカーレットニードルを14発一気に撃ち込んで来る様な気性の激しいタイプではあったが………」

「スカーレットニードル撃ち込んで来たなら間違い無くコイツだ。解決だ………」

「してない!ってんだろ!」

「うむ。ミロの必殺技を使うのだから私もミロに間違いないと思うのだ。自身で『蠍座のミロだ。』と名乗ったので間違いなくミロだ。」

「まだ解決してないからな?」

「ほいほい。面倒くせぇな…。
でぇ?そのブロンド美女に盛りまくっちまったって事かぁ。」

「否。ブロンドでは無く、紅い髪が美しいとびっきりの美女だった。」

「あ~。両親共に紅毛ならあのチビも紅毛だわな。解決………」

「してねぇよ。
何で俺が紅い髪なんだよ?百歩譲って!『要は小宇宙です』で片付けて!万が一女になったとしてだ!何で見た目迄ガラッと一掃なんだよ!?」

「仕方なかろう。出会った女性のミロが紅い髪だったのだから。」

「何が仕方ないだ!それ違う!ソイツ絶体違う!俺じゃない!別人!違う人!違う綺麗な人!あ~!カミュ浮気!カミュが浮気!カミュが浮気したぁ!」

「浮気では無い!ミロ本人だった!」

「落ち着きなよ。ミロって名乗ってスカーレットニードル撃ち込んで来たなら、やっぱりミロなんじゃない?」

「何で俺が女になったら紅い髪?根拠は?証拠出せ、証拠!」

「根拠は知らん。おそらく紅が似合うとかではないのか?それか、私を慕う余りに一掃時に『カミュと一つになりたいのぉ』となり、私のミロへの想いが詰まった魂が乗り移り紅い髪のミロになったかだ。証拠は私が会ったと言う証言だ。」

「『なりたいのぉ』とか言うか!」

「証拠はあの子では無いのか?」

「出たよ!空気読まない発言のエスパーニャ!単なる父親優勢遺伝子なだけかも知んないのに!」

「む。父親優勢遺伝子だったとしても、あの子の母親と遺伝子が一致したのは誰だったか?」

「う…。」

「誰だった?答えろ。お前かお前では無いか?」

「うわぁ…。何?その威圧的な脅迫に近い答えさせ方…。やな感じぃ。」

「お前が何時もやってる事だろ?紅い爪突き付けながら。」

「う…。そうだった…。」

「ま。その相手で間違い無さそうだね。」

「ミロ本人だと確信した私は14発一気に撃ち込まれたのでお返し代わりにその倍は撃ち込んでおいた。何がどう、どんな感じかは何時もミロにしている様にだな………」

「そんな細かい事言わなくて良いから!!!」

「余りに美しい乱れっぷりがミロとソックリで…。眉間に皺を寄せた悦に歪む妖艶な表情や体反らし方や攻められた時のビクンと跳ねる様な反応の仕草等、本当にミロと瓜二つで………」

「お前もう黙れよ!!!」

「むう…。ここからが良い所なのに。残念だ。
兎に角だ。あの女性は間違い無くミロだった。」

「お前…、煩悩脳内再生で鼻血出てるぞ?お前が鼻血垂らしたら紅毛だから鼻毛のびてると勘違いされっぞ。お前は鼻血も鼻毛も出す様なキャラじゃねぇから気をつけろ?」

「うむ。忠告、聢心に刻み込んでおく。」

「で。その時仕込んだ結果、あの子な訳だ。…それ、何時の話よ?カミュ。」

「だよな。歳月合わな過ぎだよな。」

「つい最近の話なのだがな。」

「はぁ…。訳分かんねぇよ…。」

「ま、あれだ。不思議な事も起こるだろ?此処はそんな処だ。次元も時間も歪みまくりだ。そんな時も有るだろ。」

「また適当に片付けたな…。他に説明付かないけどさぁ…。」

「ご都合主義ってやつだな。」






「で、あの子なんだけど…。ある日突然DNA鑑定証持って現れたんだよ。『何?この貴方の子よ。認知してよね。』みたいな展開!?って、焦ったけど、俺の記憶には外で子供をつくる様な事した記憶なんて一切無い!記憶違いでもなんでも無いぞ?俺には常にカミュが付いて回ってるからな。カミュの目の前で紅い髪の女性となんて…。そんな大それた事したら嫌でも記憶に残るだろ?普通!だから、絶体!無い!訳。
でぇ、間違いですよって、俺のDNA鑑定してやったの。そしたらな…。
完全に一致する訳よ…。
アデノシン三リン酸の塩基配列の並びが…。デオキシリボ核酸だリボ核酸だヌクレオチドだなんて遠の昔に習った事覚えてねぇよ!って書き手がぬかしてるから詳しくは言えないが、一致する訳よ…。
あの子の母親と!!!」

「「「はいぃぃ~!?」」」

流石、聖域グランドコーラス。ハモりはバッチリよ。

「そんな反応になるよな!俺だって大得意の『は?』を凄い声量で連呼しちゃったさ。
だから、訳が分からないけど、俺の子…らしい…。」

「「「………。」」」

今は休止符のパートらしい、聖域合唱部。

「カ、カミュは?訳が分からないけど、ミロが母親DNAと一致したなら。カミュが父親って言われてるし!何か知らないの!?」

「うむ。
全く記憶に無い。」

「おまっ!!!子供つくって記憶に無いとか!何て無責任だ!ミロが可哀想だろ!女の敵だ!去勢だ!去勢!エクスカリバーしてもらえ!シュラ!いけっ!」

「いや…、俺、女じゃないし…。」

「確かに、ミロが女性ならば孕んで当然の事を毎日毎晩これでもかって位に注ぎ込んではいるが………。」

「そ、そんな事皆の前で言わなくて良いよ!!」

「ミロは生物学上懐妊も出産も無理な事。ならば、私の記憶に無いのも致し方無い。
勿論、無責任な真似はせん。私の子で有るならば責任を取って当然。それがミロの子だと言うならば責任などと義務感の有る言葉では無く、『ぃぃやっほ~!』と髭の配管工の様に全身全霊全力で喜ぶ事だ。
見よ!私のこのとびきり最上級の歓喜に満ちた笑顔を!」

カミュは己の無表情な顔を指差す。

(((何処に笑顔が…?その顔に笑顔の欠片も見付けられませんが?)))

「そうか。ならば、二人で大切に育てあげてやれ。」

「目出度い事じゃないか。そうか。カミュもミロもそんな歳になったか。」

「おめでとう!二人に似て可愛い子だな!」

「ありがとう。皆。一家の大黒柱として妻子を一生守ってみせよう。」

「いやいや、いやいや…。お前等納得すんなよ!産んだ記憶も無いし、端から産めないし。全然!丸く収まる事じゃないんですけど!」

「そっか。そうだったね。」

「そうだな…。」

「もう、どっちでも良いだろ?」

「良くねぇよ!」

「カミュ、何か無いの?何でも良いから何か思い出してみなよ?」

「適当だな、お前等…。」

「ふむ…。何か…。何か…。」


「一緒になって『え~』とか言っているが、この子はお前の子なのだろ?ならば、何故私を『父さん』と呼んで驚く?我が子ならば種相手が分かっていて当然ではないのか?それとも、お前…、まさかとは思うが、種相手が………」

「あ?何?誰の子か分からない様な云々とか言いたい訳?そう責めたい訳?
残念だったな。残念ながらお前に責められる様な事全然無い訳。」

ミロは腹辺り迄伸びた襟首でムッとした表情になる。

「む?」

「だって、俺、男だからな!誰の子か分かって様が分からなかろが産めないからな。」

ミロは腹辺り迄伸びた襟首でこれでもかって位の"ドヤァァ"顔をする。

「それは違うぞ?ミロ。」

「何が?責めようとしたのに宛が外れたからって言い訳か?」

「否、私が言おうとしたのはだな。『種相手が居なくてもピッ/コロ大魔王の様に子を残せるのか?』と。『もし、ナ/メック星人の様な事が出来るならば、神コロが神とコロに別れた方法も知っているのか?』と。『知っているならば、サガに教えてやれば黒い方に悩まずに済むのではないか?』と、言おうとしたのだが…。」

「あ、そう…。」

普通ならば「そんな見え透いた嘘言って!」って内容の発言も、発言した相手がカミュだからな。おそらく本当の事なのだろう…。だって、何てったってカミュだから。普通の物差しで計れない相手だ。

「ちょっ…、ちょっと待って、ちょっと待ってよ。」

「ラッスン/ゴレライ?」

「違う。
あのさ、最初から説明してくんない?ミロの子でカミュが父親って生物学
的に無理難題過ぎるよね?
子供が聞いちゃ駄目みたいな内容になるなら、その子の聴覚赤薔薇で奪っとくからさ。」

ボケを一蹴されたのは誰だったのか?(其処、どうでも良くないか?)

「お前、またしても言葉のブラッディローズだぞ。そんな小さな子の聴覚を奪う等とシレッと恐ろしい事を…。」

「カミュかミロの子なら大丈夫だろ?普通の子じゃないだろうし。」

「お前!言葉のアテナ!だぞ!?その子が聞いたら傷付く様な事を!!!」

「つい口も滑らせやしない。おい、蟹。その子ちょっと離れた所で相手してやっててよ。」

「あぁ?俺ぇ?」

「君、小さい子の世話焼きするの得意じゃないか。僕~?君のパパとママもこの人に遊んでもらってたんだよ~?怖い人みたいだけど怖くないからねぇ~?」

「な、何て怪しい口振りだ…。絶体、子供は信用しないだろ…。『いかのおすし』だ…。『付いていかない』『車にらない』…『お』『す』『し』は何だったか…?」

「なら、君が相手すれば良いだろ!」

「お、俺はそう言うのは苦手だ…。」

「なら、黙ってな。」

「む…。」

「俺が相手をしていようか?」

「良いのかい?君なら子供が喜んでくれそうで助かるよ。お願い出来るかな、アルデバラン?」

「おい。随分と俺等への態度と違うな。」

「彼は良い子だからね。何時迄経っても可愛い弟分達は可愛いままなんだ。」

生々しい話題がホームに参ります。お子様は危険ですので白線の内側、随分と離れた所にお下がり下さい。





先程迄やいのやいのと話していた四人。

「お~い、ミロ。君に聞きたい事が有るん、だけ…ど…。」

訪ねて来た天蠍宮で出迎えてくれた主の姿を見て思わず言葉を詰まらせる。

「お前、何だよ?そのボテッ!と、した腹は?」

顔も四肢も締まっているのに、長い足にデニムが似合うその上に何だか大きめのTシャツ。腹部が異様にでかい…。

「ああ、これか?実はな…。」

その異様にでかい腹部が得体の知れない繭が孵る様にウニョウニョ動く。

「うぉっ!動いた!」

魚座だけにうぉっ!が似合う。
異様にでかい腹部はウニョウニョ動きながら上部に移動し、ミロの頭部が出る襟首からスポッ!と、まっ紅の髪が顔を出す。

四人は様々に「ギャー」だか「ウワァー」だか「モンゲー」だか「ウギャピー」だかの悲鳴を上げる。

震える指で指差しながら

「だ…、誰よ?その子…?ってか、何でそんな所に入ってんの?」

「あぁ~…、話せば長いんだけどな…。簡単に言えば俺の子?…らしいわ。」

四人は様々に「え~!?」とか「何~!?」とか「マジかよ!?」とか「アジャパー」とかの驚愕の声を上げる。

「…って、悪い冗談だな。ミロ、君、二十歳だろ?この子のパッと見の年齢から考えて、君がローティーンの頃だろ?有り得ないよ。」

「ローティーンでもヤッてる奴はヤッてるだろ?現に俺のは………」

「今はリアリティに溢れた話は必要ないのでは無いか?」

「それに、その紅毛。まだカミュの子って言われた方が騙されるわ。」

「カミュだってこんな大きな子がいる年齢じゃないだろ?」

「いや、アイツは既に歳の大きな子が居る親も同然。我が師の師は親も同然って言うだろ?え?言わねぇ?」

「フッ…。私に隠れて何処かで子供をつくるとは…。だが、敢えて紅毛の相手を選ぶとは…。きっと、その髪色に惹かれたので有ろう。浮気とは言え、敢えて紅毛の相手を選ぶ…。それ言わば、私への想い。私への気持ちの顕れ。だから、今回だけは許してやろう。大事に育てるのだぞ?そうだ!私がその子の父親になってやろう。」

「うわぁ!!!何処から現れたカミュ!?」

何時の間にやら四人の間で会話に交じっているカミュ。その神出鬼没っぷりに四人の狼狽ぶりが半端無い。シオンなら一発で「狼狽えるな!」体勢に入る位の狼狽ぶりだ。

「何の前触れも無くミロの側にフッと沸くカミュ…。それが一番の怪奇現象だな…。」

「否、だからな、話せば長いんだけど、俺の子?…らしいけど、俺がどっかで創った子って意味じゃなくてだな…。」

「「「「へ?」」」」

ど真ん中で無表情で霧氷状な感じでミロを見据えるカミュを他所に、間の抜けた声を上げる四人。予想以上のハモりっぷりにコーラス部を立ち上げたくなる位だ。

首の足らないキングギドラ状態のミロ&紅毛っ子の紅毛っ子は、空気と言うか、自分だけ他人事ですよと言うか、自分だけこの場に居るのに心は異次元みたいな、本当に霧氷状態な無表情なカミュを見ると、まるで手品の大脱出よろしくミロの伸ばされた襟首を更に伸ばし外に出、ミロの頭にしがみつくと、

「父さ~ん!!!」

と、カミュ目掛けてミロの肩を蹴り台にして飛び掛かる。

聖域コーラス部の四人+ミロは、指揮者も居ないのに素晴らしく揃った「えぇぇ~!!!」と言う、驚愕と感嘆のハーモニーをみせる。

当の本人カミュ父さんは

「『マァ~マァ!!!』は聞いた事が有るが『父さ~ん!!!』は初耳だな。」

と、飛び込んで来た紅毛っ子の両脇を抱き上げながら、とてもカミュらしい一般的ラインから一本も二本もズレた感想を洩らす。




「何を大騒ぎしているんだ?大の男が三人も揃って?」

「アルデバラン…。何時から居た?君も見たかい?」

「余りの騒ぎ様に声をかけ難くてな。大分前から観察させてもらっていた。お前達のやり取りは面白いな。おかげで寄席を観に行く必用が無いな。ワッハッハ。」

「君も結構悪意無しにキツい事言うよね。口撃力グレートホーン級…。」

「何がだ?」

「別に良いよ…。それよりも、大分前から見てたなら君も見ただろ?あのハムスター擬きみたいなチビを。」

「ああ!あの髪が青い子供の頃のミロにソックリな子か?最近よく見掛けるな。チョロチョロ走り回っていてヤンチャそうな子だな。」

「何度も見てるのかよ。何で、そんなに普通なんだよ?」

「うむ。我々も見習うべき構え方だな。」

「そうか?シュラに誉められると何か照れるな。ワッハッハ。俺はあのチビどころか髪が青いミロ自身にも会った事が有るんだがな。『染めたのか?』と訊ねたら『俺は昔からこんな髪の色だ。』と答えられたんだがな。」

「おいおい。それってもっと動揺しても良い様な事なんじゃねぇのか!?」

「『ミロ』と呼び掛けても否定され無かったからな。名前迄一緒のソックリさんってのも珍しいな。貴重な体験を出来たもんだ。ワッハッハ。」

「いやいや。君、おおらかとかそう言うレベルじゃないよ、もう…。」

「う、うむ。見習うべき構えではないなと、流石に俺も思う。」

「そうか?俺はブラジリアンだからな。外人の顔は似たように見えるって言うあれかと思ったんだがな。」

「似たように見えるっても同じ顔には見えんだろ…。それがマジなら、お前から見たミロとかサガとかアイオリアとか、髪型と髪色が違う五つ子だろうが…。カシオスって奴も同じ顔に見えんのかよ?シャイナの仮面の下は俺と同じ顔か?」

「男女は流石に違う様に見えるのでは無いか?」

「君も大概ズレてるよな…。エスパニョール。」

「何か、アルデバランと話してたら自分が動揺してんのが馬鹿らしくなってきたわ…。」

「う、うむ…。本当にな…。」

「君は馬鹿らしく思っても元々だから素に戻っただけだが、同感だね。あのハムスター擬きも衝撃だったが、流石に髪色の違う本人にソックリな奴迄現れているとなるとね…。」

「おい。今のは言葉のピラニアンローズよりも言葉のブラッディローズだったぞ…。泣くぞ?流石に俺でも…。」

「しかし…、何者なんだろうな?その大小紫色は…?」

「本人に聞いてみれば良いのではなかろうか?」

「君も大概ズレてるよな…。こんな時に至極真っ当の事言うなんて…。面白味無いな、星座はエスパニョーラ。」


おおざっぱに思い付いただけで、流れも軸もな~~~んにも考えてないよ(;A´▽`A
でも、やってみたかったんだもん(/≧◇≦\)こんな中途半端な事してる暇有るなら落書き頑張れよ(・ε・` )と、自分でも思うんですけどぉσ( ̄∇ ̄;)


怪奇現象???

「な~んかさ…、最近、私、疲れ気味なのかな?な~んか、こう…、何て言うか…。」

「あん?きっつい事もズバズバ言うお前にしてはハッキリしねぇ言い方だな?」

「うむ。俺のエクスカリバーよりも人の心をスッパスパ一刀両断、粉々の微塵切りにしてしまう口撃力を持つアフロディーテらしからぬ感じだな。」

「君達も大概だと思うけどね。皆、心にエクスカリバー。口撃力はピラニアンローズだよ。ああ、蟹には無理な芸当だったかな?」

「何をぅ!?俺だって心にエクスカリバー!口撃力は心を砕くギャラクシアンエクスプロージョン!!」

「落ち着け、お前達。お互いに罵り合ってどうする。」

「言い出しっぺは君の様な気がするんだけどね。」

「俺はそんな非道な真似はせん。口撃力は皆無に等しい羊の皮を被った山羊さんだ。」

「それ、散髪されてねぇ只の羊じゃね?」

「フッ。山羊は悪魔の象徴。その目、腹の奥底で何を考えている事やら…。」

「何だと!?」

ピシッ!ピシッ!ピシッ!

「痛っ」
「痛ぇ」
「痛ぅ」

「喰らえ!真紅の衝撃!銀玉鉄砲!
喧嘩しちゃ駄目なんだぞ!」

「「「!?」」」

「逃げろ~!キャー!」

タタタタタタ…。
サ/ザエさん宅ならドタドタドタドタ…。タラちゃんの足音なら、え~…、パラポパラポポン?そんな感じ???どうでも良いか…。

「や、やっぱり、私、疲れ目気味なのかも知れんな…。」

「いやいやいやいや!疲れ目の幻覚じゃねぇって!今の!」

「俺も…見た…。」

「げ、現実か?やっぱり居たのか!?実在したのか!?疲れ目のせいの幻覚じゃなかったのか!?」

「現実だよ!銀玉転がってんだろ?現に!」

「そ、そうか…。現実だったのか…。
実はだね…、さっき見たハムスターみたいな奴、たまにチョロチョロ見掛けるんだよ…。あんなに目の前でハッキリ見た事は無かったのだが…。柱の影に消える瞬間とか、後ろ姿だけチラッとって感じで…。例えるならば、『あれ?この家、何か居る…?』みたいな、何と無く分かる人には分かるみたいな…。」

「ああ。俺も、たま~にな…。」

「君も見掛けていたのか?そんな素振り全然見せて無かったじゃないか!?」

「お前もそんな感じの事口にしたの今が初めてだろうが。」

「実は、俺も、たまに見掛ける事が有った…。」

「君もか!君達酷いじゃないか!私が疲れ気味なのか?と、悩んでいたと言うのに、何も『君だけじゃないんだよ』って、救いになる様な言葉の一つもかけてくれないなんて!」

「いや…、お前が悩んでいるなんて初めて聞いたし…。」

「それ位察しろ!」

「いやいや、それなら、お前も察しろよ。」

「うむ。お互い様だと思うが。」

「フン。私は君達のお世話係じゃないんだよ。そんな事迄面倒みれるか。」

((勝手な奴…。))

「今は君達の言い分はどうでも良いんだよ!それよりも、私の話を聞いてくれ!
それでな、そんなハムスター擬きみたいなのチラチラ見掛けるだけならば、私だってそんなに動揺しないのだよ。これでも冥界に居た事が有る身。化け物の百匹や二百匹どうって事は無い。それよか、二度も、映画も入れると三度位生き返った身。己自身が怪奇現象。そんな物に動じる私では無い。」

「ああ…、ま、な…。」

「うむ…。」

「あの、ハムスター擬きの姿自体が問題なのだよ。
昔、よ~~~く見知った姿をしているのだが、それだけでも結構な摩訶不思議では有るが…。何せ…」

「「「髪が紫色だもんなぁ~。」」」

「一体、誰なのだ?あの子供は!?」





小ネタ集

2015/03/26

花粉のダイヤモンドダスト状態で今年も鼻を爪で傷付けてしまいました(T-T)
脳内でミロさんJr.ちゃんとお笑い黄金さん等とLOSミロちゃんが乱舞しておりますが(笑)まぁ、小ネタ集いっときますか。


可愛い恋人。

俺は小さい時から大親友のカミュに何でも相談して力になってもらって来たし、カミュのアドバイスは的確で、本当にカミュは頼りになるんだ。甘えっぱなしで悪いとは思ってるけど、今回もカミュに相談に乗ってもらおうかな…。

鬼いさんとか大親友とか幼馴染みとか、障害多数と覚悟してたが、案外あっさりと告白は受け入れられて俺は誰もが羨む位の恋人GETだぜっ!と、来たもんだ!舞い上がって迷言吐いた訳じゃなくてな、ポケ/モンGETだぜっ!の真似をしただけだからな。そこん所理解願いたい。
ルンルン気分で初デートの待ち合わせ場所に向かう俺。あの角を曲がれば愛しの恋人の待ち人を待つ姿が目に入る筈!否、先に来ているとは限らないな。俺ってばウキウキし過ぎだろ~?この!幸せ者!
さぁ!初デートの待ち合わせ場所への曲がり角!此処を曲がれば待っているのか………???
居た~!!!
居た…、けど、さぁ…。何?あれ…?
先に来ているならば愛しの恋人が俺を待っているであろう場所に、立っているのは…
兎の着ぐるみ…。
真っ白な耳が天を向いて二本ピーンと、真紅のリボンが可愛いワンポイントですね。と、ファッションコメンテーターに言ってもらえそうな彩りを添えている。
周りに小さい子供達や親子連れの家族が群がっているな。
ああ!そうか!俺が待ち合わせ場所にした所でたまたま兎の着ぐるみちゃんがイベントか宣伝か何かでやって来てたんだな!そうならば、俺の可愛い恋人を見つけて早々に場所移動しないとな。
何?何でこっち見てるんだ?兎さん…。
兎の着ぐるみがジッと此方を向いて手を振っている。
俺?俺か?
自分に向かって話しかけられたと思いきや、自分の横や後ろの人に向かってだった。返事しなくて良かった~。危うく要らん恥かく所だった…。みたいな事にならない様に、念の為に自分の周りをグルリ360°確認してみる。
居ない…。兎さんの振る手に反応を返す様な者は俺の周りには誰も居ない…。
まさか!俺には見えないのに兎さんには見えるとか!…無い、無い。そんなオカルトな事は無い無い。無いってんだろ!怖いからとかじゃねぇよ!けど!無いの!!無いったら無い。
ほら、現に兎さんが「カノ~ン」って、俺の名前呼びながら手を振って近付いて来る。やっぱり、俺にじゃん。見えない何かとか無いだろ?ほ~らみろ。
ん?
俺に?
って事は…。もしかしなくても、この兎さんは…。
何でだよ~!?!?!?
え?ああ。うん。そっか、楽しみで早くに来ちゃったかぁ。可~愛いなぁ。可~愛いけど、それ…。
え?ああ。うん。可愛いよ?兎さんだから可愛いけど。可愛いけど!可愛い格好って、そんな着ぐるみとは違うと思うんですけど~!?
真っ白な兎さんの着ぐるみと並んで歩いていると、子供達に群がられて、まるで小さなテーマパーク。はは…。テーマパークに出向かなくてもテーマパークでデートしてる気分も味わえて一石二鳥。お得感の有るデートが出来ます。
って!んな訳ねぇだろ!兎さんの着ぐるみは可愛いよ!ああ!可愛いさ!けどな、可愛い恋人って、こんな意味合いじゃねぇだろう!?

初デートのリベンジに、次のデートの約束を取り付けて、今回こそは!と、意気込んで待ち合わせ場所に向かう俺。そこの角を曲がれば俺の可愛い恋人が!!!
居た~!!!
居た…けど…。居たのはまさかのネズミーさんの着ぐるみだよ…orz。何でなんだよ?ネズミーさんは夢の国から出て来ちゃ駄目でしょ?
orzとなる俺を見付け、またもや駆け寄って来る着ぐるみさん。
あの、誰もが脳内再生可能であろう高い声を真似て、「ハハッ。ミロッキーだよ。」とか言ってるし…。
うん。可愛い。滝涙が出る位可愛いよ。ネズミッキーさんが可愛いく無い訳ねぇもん。可愛いに決まってるし。決まってる、けど…。
可愛い恋人って、こんな意味だっけ?こんな感じだっけ?否、もしかしたら、俺の考えてる可愛い恋人の意味の方が間違えてるんじゃ…って!間違えてねぇよ!絶対に!

「うむ。恋人の前では可愛いく振る舞えば良いのではないか?可愛いと言えば着ぐるみさんに勝る物無しだ。」
そんなアドバイスは天然か本気かはたまた嫌がらせか?それはカミュのみぞ知る。

終わり


最近モンストが楽しいです(^^)
長男次男と「お前アホかぁ~(笑)」とか、やりとりしながら一緒に遊んだりしてるんで楽しいです(^^)
末っ子お獅子ちゃんもやりたいと言うので、使って無いiPhoneに入れてやったら、この娘、引き運が良いのなんのΣ(-∀-;)
僅かな回数で、長男次男曰く『持ってたらLUCKYな使えるキャラ』をシレッと引くんですよ(^o^;)何ですかね?無欲の賜物ってやつですかね?(^o^;)
末っ子お獅子ちゃんも混ざって四人でクエスト行ってたら楽しいです(^^)
で、タイトルなんですが、アンタレスちゃん再び出ました(^^;
アンタレスちゃん好き過ぎるだろ?私(笑)
実際にデッキに組み込んだりしてないですが、貴女の名前は私のハートをガッチリ鷲掴みしておりますよ(^.^)

それから、主人公の名前がミロさんの方ですが、カミュさんのストーリー順調に進みました(^^)
きっと、真相解明な強敵として出るのはまだまだ先なんでしょうが、何となく悪くなってしまった理由の一つの一部が分かった感じでした。本来は、今も本心は心優しいお嬢さんの様ですね。
何か、仙水さんを彷彿させますね。
仙水さん、中の人は初代カミュさんの人ですから、何?このカミュカミュ繋がり!?(笑)
きゃりーかみゅかみゅ…噛み過ぎだろ!(>_<)みたいな感じ…(^^;
で、相変わらず、ロス兄さんの頼りになる度は異常(笑)
召喚ポイントが高いんで、召喚出来るのはかなり後になるんですが、前衛がボロボロになって「もう、無理~(>_<)」になってる頃に遅れて登場して敵をガンガン倒していくロス兄さんの男前っぷりは凄い(^^)
頼りになり過ぎですわ(^^)
星矢ちゃんがボロボロになった位に現れる射手座の聖衣の様な盛り上がり(笑)単なる、雑魚戦で毎回熱い物語を繰り広げております(笑)

む。キュアマーメイド出た。今朝もLOSミロちゃんの声を聴いたぞ。うむ。


先日から急に暖かくなってすっかり春ですね。
逆に春物まだ出してねぇよ、なのに暖かくなって、暑い位でしたよ(-_-;)
何とか長男次男の卒業式も済み、チビ子等も春休みに入り、家事するだけになったんで、割かしまったりと過ごせたら良いな!過ごせるのかと思いきや願望かよ!?
鼻が痒い目が痒い顔がチリチリチクチク痛痒い(>_<)春はこれだから嫌なんだよ(>_<)夏暑い~冬寒い~春花粉症~、秋しかまともな季節ねぇじゃん(-_-;)

話は変わりますが、私は「この中で答えた人数が一番多いのはどれだ?」なクイズが苦手です(-_-;)
少数意見だろうなと思っても自分の好みを答えてしまう私です(-_-;)

関係無いですが小噺を一つ…。

「愛し合う~二人は~繋がってたい~♪隣同士貴女と私、カモメ眉~♪」

「カモメ眉って何です?」

「カモメさんが飛んでるみたいなM字の形した眉毛って事だろ?」

「ああ。両さんみたいな眉毛ですね。なら。両津眉って歌えば良いじゃないですか。」

「ってか、こんな所で熱唱しても肝心なあの方に聴こえる訳ないし。」

「無駄ですね。」

噂が噂を呼び、噂が独り歩きする。終にあの方の耳にも入る事に。

「ラダマンティス…。聞いたぞ。お前、カラオケで熱唱してた時に…。」

「パ、パンドラ様…。その…、あれは…、い、いえ!パンドラ様!貴女様がお耳に挟んだ通り、あれは私の気持ち!本当の事にございます!」

(やった!終に言えたぞ!パンドラ様に自分の気持ちを!)

「そ、そうか…。噂は本当だったのだな…。」

「は、はい。」

「お前がM字ハゲで悩んでいると。私のせいで、私が無理ばかりさせてストレスで生え際M字ハゲだと!」

「え~~~!?」

「済まなかったな、ラダマンティス。当分、お前に暇を出すので実家にでも帰るが良い。思う存分ゆっくり休むが良い。」

「パ、パンドラ様~!!!」

「うぬぅ~。誰だ!変な噂を流した奴はぁ!?ミーノスか!?アイアコスか!?」



「実は私です。
あのお方からあの女を遠ざけてやったぞ!( ^∀^)」

誰だ?勿論アイツだ。



これだけは言っておこうか。
私服のセンスが云々よりも、我等のミロさん。他のキリッ!とした気迫有るってか、「いやん怒っちゃやん 」と、言ってしまいそうになる顔付きの皆さんに比べて、例えるなら「予想外の出来事に巻き込まれた能力覚醒前の頼りないゲームの主人公」っぷりは如何なもんかと…。
あの、キリッ!カミュさんや、ぶっ〇すぞ?なリアなら守ってくれそうですわ。って、ミロさんじゃないですか。
それはそれで、カミュミロ、リアミロ、〇〇ミロ万歳になってしまう私がいますが、みっともない弱っちい戦闘で守られる様なミロさんなんて見たくないんだからね!!!
雰囲気カミュミロで、実際は己は己で守るミロさんにしてよね!!!
…と、私は、あのキャラ紹介を見て、思ったのでした。

サガさんの眉毛~♪サガさんの眉毛~♪←雪だるま作ろ~♪のリズムで、が、私の脳内をエンドレス支配しております…。




タイトル通り定例化した後書きと言う名の時間ですよ~。女将さ~ん!時間ですよ~!

今回は「毒姫」を読んでインスパイアされて書き始めた訳ですが、本家毒姫の様に己の毒で朽ちていく様よりも、黄金さん等がパラレルとは言え、悲しい最後を迎えるのは嫌なんで、ややこしいまでにくそ長くなる様なごちゃごちゃしたお話になってしまいました(^^;

サガさんが張りぼての王だったのは、流れ的に云々を除くと、偽教皇として過ごしていたからで。
アフロさん達年中トリオさんは言わずもがな偽教皇の加担者から。
カノンさんが裏方な事や最後に海の仲間達の所に行ったり等々有る程度の原作の流れオマージュで書いてます。
名前が出たのはソレントさんとザックンだけですが、動物好きな人、肺活量凄い人、槍の人、物真似カーサンと、カノンさん+6人の七将軍がちゃんと揃っております。
カミュさんの「十三年前…」は、ジェミニ遠隔操作カノンさんに語りかけていたサガさんの台詞からですね。
カミュさんの協力者がシュラさんなのも、映画や慟哭トリオから来ております。
『十三年前』なのも原作流れオマージュですね。
で!で!で!やはり、最後にカミュミロに落ち着く、この私的流れ!定例でございます(笑)
カミュさんが極寒の地に居るのもカミュさんならではですね。
何気に、カノンさんの「だぜっ」と、LOSシュラさんの(言ったのは本人じゃ無いですが)『マジかよ!?』も入っております。ってか、カノンさんの「だぜっ」は外せません(笑)
瓦礫が何だもLOSサガさん大暴れオマージュなんですよ、実は。
アフロさんがシャカさんの台詞?言いまくりだったのも、あの迷台詞は外せないな、と(笑)

今回はお笑い抜きに(「だぜっ」とか「マジかよ!?」等ありましたが)頑張ったんで、楽しんで頂けたならば幸いにございます。
後になりましたが、最後迄お付き合い下さったアテナもビックリな慈愛に満ちた方々がいらっしゃいましたら、本当にありがとうございましたm(__)m
あ、アフロさんの実体の無い女神よりも云々も、アフロさんの台詞オマージュでございます。






毒姫

2015/03/17

「そんな…、まさか…、何で…、でも、良かった…、嬉しい…、俺、本当に嬉しい。何で急に居なくなったんだよ~!一体何処に行ってたんだ………!」

本当に生きて再会出来るとは思って無かった相手との再会に、嬉しくなった俺はベッドから飛び降り、駆け寄って飛び付きそうになって、はたと気付く。
俺が抱き付いたら、カミュが…。折角再会出来たのに…カミュを…。
俺はカミュに飛び付こうと勢いよく拡げた両腕を黙って下ろした。

「ミロ?」

「俺が、くっついたら…。カミュが…、カミュも…、俺のせいで…。」

「大丈夫だ。」

「何が?」

カミュは俺に錠剤の様な物を二本の指で摘まんで見せる。

「解毒薬だ。」

「解毒薬…?何で、カミュがそんなの持ってんの?」

「十三年前………。」

カミュは、思わずサガを思い出させる様な口振りで、俺の前から居なくなった後の事を語り始めた。

「私はミロの体内の毒気の事を知らされ、お前を助けたい一心で解毒薬を探していたんだ。宛てずっぽに躍起になって探し回る私に、とある国で黒髪の歳上の少年が『何れ必ず解毒薬を手に入れてやるから待て』と、『どんな歳月がかかろうとも必ず』と話し掛けて来た。見ず知らずの者の言う事を鵜呑みにするのは愚かしいが、その少年の生真面目で実直な様から嘘を吐く様な者では無いと信じた。その間、私はミロが他の者との接触を避けて暮らせる様な土地を探し、独自で違う解毒の方法は無いかを探した。そして、私はこの氷に閉ざされた極寒の北の大地に移り住み、あの少年…、長い歳月を経た今は青年か…。あの、シュラと言う者の連絡を待った。
ミロ、この永久氷壁に囲まれた土地ならば、誰とも接触する事も無い。寒さが厳しく不自由を強いる様な生活になるが、私は長くこの地に居たので寒さにも大分と慣れた。だから、私が居れば大丈夫だ。私と二人でこの地で生きよう。己の魂の炎が燃え尽きる迄、ずっと二人で、だ。」

貴様が私に吹き込んだ事はぼかしてやろう。きっと、貴様の様な奴でも、このミロに執っては自分を助けてくれた恩人か何かの様に良い奴だと思われているだろうからな。思い出は美しいままに、だ。貴様の為では無いぞ。ミロが本当の事を知って悲しまない為にだ。思い出は美しいままにだが、貴様はミロの思い出だ。只の思い出だ。現実のミロは今此処に。私の腕の中に、だ。

急に居なくなったカミュを責めたくも有ったが、カミュから聞かされた事を聞いて、只、只、嬉しくて…。気が付けば、俺はカミュにしがみついてわんわん哭いていた。
薬、要るけど、ずっとずっと俺の傍に居てよね。二度と急に居なくならないでよね。自分に回された腕がとても嬉しい。
シュラって人!本当にありがとう!そんな良い人がいてくれたなんて、マジかよ!?

・・・・
もう、全てを失っても良い位に欲しかったものを手に入れた私で有ったが、彼奴等の声が聴こえた様な気がした。
そうだ。こんな所で終わっては駄目だ。彼奴等も私にとって、かけがえの無い大事な大事な人達。サガと同じ位大好きな…。
帰ろう、サガ。私達が幸せだったあの地へ。彼奴等の事も誉めてやってよ。昔の貴方の様に、彼奴等の事も…。待ってるよ。あの二人も。彼処で眠る人達も。だから、帰ろう。

終わり。



毒姫

2015/03/17

無理を通してサガの振りをして外に出た時、あの国で暗躍する銀髪の男に会った。身分を隠した通りすがりとして俺に近付き、周りの者達が気付かぬ間に解毒薬を渡された。
あの小僧もでかくなったもんだ…。村で走り回っていたチビ助三人組の一人だな。
アフロディーテが国を後にする前に仕掛けた薔薇の香気で例の毒姫育成者はこの世を去った様だ。その婆さんの部屋を探れば案の定とびっきりの効き目が有る解毒薬がわんさか出てきたって訳だ。そりゃ、こんな薬持ってりゃ周りが毒に囲まれても平気な訳だ。けど、ちびちび盛ってる様な弱い毒と違ってアフロディーテの薔薇の香気は一線を外した様だな。本当恐ろしい天と地の狭間に咲き誇る薔薇の君だ。
………。
海は良い…。あの瞳の様な碧。あの金の髪の様な日の光。何時も一緒に居る様な気に…。俺は、此処が、コイツ等が好きだ。

・・・・
寒い…。何でだろう?寒いよ…。冥界は日の光が届かないから?だから寒いの?此処は冥界なの?俺、やっぱり死んだのか?

「寒いのか?」

誰だ?うん…、寒い…。

「もっと火を強くしようか。薪をくべる。暫しの間だ。少し我慢してくれ。」

ありがとう…。誰か知らないけど、親切にありがとう…。冥界にも親切な人が居るもんなんだな。…暖かい。本当に此処は冥界なのか?

「冥界では無い。お前は生きているぞ。譫言とは言え冥界・冥界、縁起でも無い。」

そうなのか。此処は冥界じゃ無いのか。俺は生きてるのか。俺は生きてる?生きてるのか?駄目だ!俺に近付かないで!俺が、貴方を!また、俺のせいで人が!親切にしてくれた貴方に!ってか、貴方一体誰!?

「駄目だ!!!」

「な、何だ?ブツブツ譫言を言っているかと思えば急に叫んで飛び起きて…。一体どんな夢を見ていた事か?」

寝起きの寝惚け頭で状況を把握出来ずに、掛け布団を握り締めボ~としている俺は、周りの景色がどんな物かも把握しきれていない…。徐々に覚醒する頭で、目に飛び込んで来た鮮やかな色彩に一気に目が覚めた。
嘘…。
まさか…。
そんな…。
本当に本当!?
もしかしたら違う人?
でも…。
でも…。
その色は…。

「………カ…ミュ…?」

反射の様にその鮮やかな紅色を目にした俺はその名前を口にしていた。

「ああ。私だ…。」

嘘!何で?何で?どうして!?

「本当に、カミュ…なの?」

「ああ。私だ。ミロ。」

「本当の本当に!?」

「本当の本当にだ。」

「本当の本当の本当に?」

「くどいな…。信じられんかも知れんが、私だ。ミロが知っているカミュ、本人だ。」


毒姫

2015/03/17

「何をしているんだ。」

「まさか、アフロディーテは…。」

「まさか。」

「否。彼奴のあの人への愛ってやつ半端ねぇだろうからな。」

「そうだとしても!…クッ!俺達の絆はそんなものだったのか?」

「そうだ。有終の美ってやつもお前には似合うかも知れねぇがよ。約束しただろ?忘れちまったのかよ。俺等の仲ってそんなもんだったかぁ?」

「俺は信じる。」

「だな。俺も信じるわ。」

・・・・

カノン…、帰って来ない…。もし、このまま戻って来なかったら、俺、これからどうしたら良いんだろうな?何処に住むにもその土地の人達を危険な目に遭わせてしまう…。何処に行けば良いんだろ?
はぁ…。どうしようかな…。このまま、此処でじっとしていようか…?そうすれば、何れ、皆の所に…、…所に…、行けないかもな…。だって、俺のせいで皆は…。
カノン…、本当に助かるのかな…。アフロディーテの事信じてるけど、心配だ…。
アフロディーテ…、サガも無事かな…?ちゃんと城から脱出出来たかな…?
俺だけ、此処で…。良いのかな?皆の無事も確認出来ないなんて…。これが、俺への罰なのかもな。それならそれで受け入れるから、だから、皆を助けてあげて下さい。
最後を迎える迄に、せめて、一目で良い。カミュにもう一度会いたかった。でも、無理だろうな。だって、俺は罪人だ…。そんな事許してもらえないだろうな。望みを叶えてなんて、もらえない…。
何か、疲れちゃった…。このまま、目を閉じれば、そのまま、安らかに逝ければ…良いのに。せめて…安らかに…。

・・・・

「大物!捕ったどぉ~!」

「ああ!俺の黄金の槍!勝手に使うなよ!」

「何が黄金の槍だ。只の銛だろうが。」

「俺にとっては黄金の槍なんだよ!この肺活量野郎!」

「俺にとっては黄金の槍なんだよ~。ゲラゲラ。」

「真似すんな!似て無いんだよ!お前の物真似は!漁師の倅が真っ白になる迄日焼け止め塗るな!」

俺はソレントとアイザック兄弟に助けられてからこの漁村で厄介になっている。
ミロの事が気掛かりだが、此処とコイツ等と居る事が肌に合って居心地が良い。
ミロの事を諦め切れない想いは強いが、最後の最後にミロと離れてしまったのは俺への罰なのかも知れない。
悪かったな、小僧。けどよ、嘘じゃ無かったん、だぜっ?確かに、お前からミロを奪い取る様な形になっちまったがな。
あの日、ミロをあの村から連れ出す少し前に、あの国や向こうの国を探っていた時、ミロの毒気に気付いた俺は、一緒に居た紅毛の小僧にミロの毒気とミロの毒気を治せそうなあの国の秘密事と、ミロが自分のせいで人が死んだ事実を知ったらどうなると思うかって、もし、一番近くに居る奴が自分の毒気に蝕まれたらどうなるか?と話した…。紅毛の小僧はミロの毒気を治す為に、ミロが一番近くに居る奴を蝕んで心を痛めて最悪の選択を取る事にならない為に村を離れた…。嘘は何一つ言ってはいない。けどな、目的が小僧をミロから離す事だったのは本当の事だ。それが、策略の為だけでは無く俺の個人的な感情が無かったと言えば、嘘になるけどな…。
アイツはどうだったのか?策略の為だけと割り切ってるにしては随分な可愛がり様だったな…。奴もまた、奴で魅入ってたんだろう。

「その薬、完治させる事も可能なんでしょう?何故、完治させる迄服用しないんですか?」

「残して措きたいんだ…。」

「その痣の様な物を?
何かに似ている形を成していると思っていたのですが、分かりましたよ。」

「何だ?」

「南天に君臨する、蠍座の星々の並びにそっくりですね。」

その答えに、俺は無意識に穏やかな笑みが口元を歪めた。


毒姫

2015/03/17

これで最後にしようか。ミロの話していた紅い髪の子。何処かで見た記憶が有ると思ったら、あの国に居た時に見たんだよ。高い木に登って城内を窺っていたんだよ。何処でどう調べたのか、毒を扱うなら解毒の薬等も有る筈だろうって。高い木に登れば見つからないと思ったんだろうね。でも、私の部屋から丸見えだったんだよ。だから、捕まる前に立ち去れって教えてあげたよ。あの身体能力、独自であの国の秘密に辿り着いた事。頭も良いんだろうね。でも、部屋から丸見えなんて思わずに高い木に登るなんて、そこはやはり子供の浅知恵だね。何も語らなかったけど、あれは今思えば、助けたい人の為に一生懸命だったんだろうね。彼も大人になっているのかな…。それは分からないけどね…。もしかしたら、助けたい人が自分だったのかも知れないし…。なら、彼も、また…。
もう最後にしようか。このまま、助かるか瓦礫に潰されるか、運命に任せよう…。私は今最高に幸せだから。どっちでも良い…。

♪♪♪………。

「気付かれましたか?ああ、ごめんなさい。この音のせいで目が覚められましたか?」

「此処は………?」

「某国から程近い漁村ですよ。貴方が海岸で倒れているのを弟が見つけたんですよ。それで家に運ばせてもらいました。大分と体力を消耗していた様で何日も眠ったままでしたよ。目が覚められて本当に良かった。」

「貴方達が俺を…。ありがとうございました。」

「まだ動かない方が良いですよ。ゆっくり休んでて下さい。
?。ああ、これが気になりますか?そうですよね。こんな貧しい漁村には似つかわしくないですものね。
私は特待を受けて音大に通っている身なんで、この一芸を無くしてしまったら特待を受けれなくなるんで片時も練習に勤しむ努力を止められないんです。何時か、世界を廻れる様なフルート奏者になって、苦労をかけている弟を楽にしてあげたいんです。」

「その弟さんは今何処に…?」

「漁に出てます。もう少ししたら戻ると思いますが…。
この辺りの沖は潮の流れが強くて、貴方、本当に助かって奇跡に近いですよ。余程強運の持ち主なのか、海の神の御加護が有るのか。
私の弟も潮の流れに飲まれ大怪我を負いました…。可哀想に、片目を失い隻眼になってしまいましたが、命をとりとめれただけ本当に良かったです。海の神の御加護でしょうね。」

ワイワイギャーギャーガーガー「また拾って来たのか!お前は何匹拾って来たら気が済むんだ!」

「おやおや。また動物を拾って来たみたいですね。彼は本当に動物が好きで何匹も拾って来ては親父さんに怒鳴られているんですよ。でも、動物にも命が有りますからね。捨て置くには偲びないでしょう。彼の親父さんも怒鳴ってはいますが分かっているんですよ。そんな倅の優しい所が誇らしいんです。
貴方がもっと元気になられたら、皆を紹介しますよ。弟と仲の良いやんちゃ坊主達を。」




毒姫

2015/03/16

私の腕の中にあの人が居る。夢では無かろうか?と思う位の現実感の無い浮き足立つ様な感覚。優しく接してくるたとは言え、あの人は領主様の御子息。私はしがない農家の倅。本当にお近づきに等なれる訳も無い。
あの悲劇が私達を只の同士に変えた。だが、同士と言えど、あの人は使う者。私は使われる者。本当の同士になれる訳も無い。
あの人の腕が私にしがみつく。貴方もまた弱さを吐ける相手がいなかったんだね。一番近くに最愛の肉親が居たのに、弱音を吐けなかったんだね。何が命取りになるか分からない日々。一秒たりとも気が抜けない毎日。でも、貴方の弟はきっと気付いていたよ。貴方が自分に甘えているからこそ自分に非道な扱いをする事を。だって、そうでしょう?貴方がこの国で他の誰に自分の素の感情をぶつけられましたか?あの子もきっとそう。貴方は間違いなくあの二人を愛していました。
あの人の全てを優しく包み込む。優しくあやす様に背中を叩く。
瓦礫はまだ我々には降って来ないね。貴方に私が何をしたか語りましょうか。聞いてもらえ無くても良いんですよ。でも、これだけは耳に届いて。今回、貴方の為に行動した者は皆、貴方を愛していましたよ。只の復讐心じゃ無いんですよ。

私はミロにカノンの毒気の進行を抑える方法が有る事を教えてあげた。私とサガ達の村の事も話してあげた。だって、あの子はサガを裏切らない。私達の想いも話してあげた。あの子の毒気の因果とあの子の愛する者達への弔いの意は一緒。利害の一致。
フフフ。あの子に聞いたよ。可愛いあの子をどうしてどんな腹の内かも知れない贈り物に会わせるのかもね。重鎮の姿に身を隠した王に毒姫の話をしたんだってね。あの子と共に居ても蝕まれない者は毒姫。その判別の為の道具。仕方無かったんだよね。王に忠実な振りをした張りぼての身で、あの子を城に置いておく術なんて他に無かったんだもんね。王に城に居座らせる必要性を認めさせないといけなかったんだからね。地下に閉じ込めておくのは可哀想だものね。ミロは全て分かっていたよ?だから、サガを信じて裏切らなかったんだよ。
カノンは私の事を覚えていたよ。お互いに年を経て見覚えの有る姿じゃなくなったのにね。カノンはサガの全てを見透かしていたよ。理解してくれていたんだね。だから、領主の子は双子だったって事を知る者も居るかも知れないから、少しの隙も命取りな毎日だから、陰で暮らす事を承諾してたよ。でも、あの人の一番の理由はサガよりも自分よりも、ミロが危険に晒され無い様にだって…。一番利己的な理由だね。でも、それ位本当に愛していたって事だね。いじらしい話じゃないか。ミロの安全が約束されたら崩壊する此処に危険も顧みずに戻って来て…。良かったね。サガ。貴方の弟は貴方の事も愛してくれていたよ。
ね?サガ?彼奴等の事も忘れないで。貴方の近くに居なくても、あっちの国を内部から崩す為に向こうに就いた彼奴等も。デッちゃんとシュラ。やってくれたね!皆、想いは一つ。復讐心だけじゃ無いんだよ?皆、貴方を慕っていたから。何が正しくて何がいけないのか、そんな上部で語れない位強い絆が有ったんだよ。私達にはね。
誰が本当の王かは当たりは付いて居たよ。彼奴等に連絡を取りたくて方法を悩んだ時、ミロに頼むかカノンに頼むか迷ったよ。ミロだと即死しなくても毒気が有るからね。彼奴等にもしもの事が有ったら…。そんな心配する位、私は彼奴等が大好きなんだよ。
カノンに頼んで正解だったね。張りぼてが自分に逆らったって悔しそうに睨み付けて。それで確信したよ。当の件の人物はどいつかってね。『顔色が優れない』だってさ。だって、カノンだもの。サガじゃ無いんだから。顔色も優れないさ…。それでも気付かないでさ。毎日サガの何を見てたんだろうね。
『もしもの時』だってさ。城外で自分に反旗を翻さないか?って事だろ?護衛と言う名の始末人を沢山付けて…。愚かだ。愚者の極みだ。ヘドが出る。
瓦礫、降って来ないね。運が良いのか。ミッション達成の御褒美か。私はもう最高の御褒美を貰ったのに。貴方の体温が心地好いよ。とても…。それとも…本当に女神の加護…なのか、な…。
あんなに悪態衝いて…。それでも、女神は許してくれるの?そんなに慈悲深い女神なのか…な?

「彼奴等出て来ねぇな…。」

「………。」


毒姫

2015/03/16

「アフロディーテ。お前も逃げなさい。お前はもう自由の身だよ。今迄ありがとう。本当にありがとう。どんなに言葉を尽くしてもお前への感謝の意を表し切れないな…。
すまなかった…本当に…。どんなに言葉を尽くしても謝り切れないな…。」

「馬鹿を言わないでくれ。私が自分で選んだ道だ。貴方の為にと言うのが、貴方の負担になるならばもう言わないが、貴方の力になりたかっただけだ。感謝や謝罪なんていらない。
それに、私もあの子と同じで私を受け入れてくれる場所なんて…。」

私の言葉に悲痛な表情になり、おそらく謝罪の言葉を口にしようとするサガの唇を人指し指で止める。
謝罪の言葉なんていらない。

「私の事を少しでも憐れに思うならば、せめて、私に貴方を下さい。私の最後を貴方と一緒に迎えたい…。貴方の最後を私に看取らせて…。」

花火がまたあの国の方から上がる。彼奴等やりやがったな。あの国も墜ちた。あの国も滅んだ。はは、やったな。やったよ。父さん、母さん。皆!

「サガ…。」

「ああ。遂にやり遂げたな。私はもう何も思い残す事は無い。脱け殻で申し訳ないがお前の好きにしてくれ…。」

私は震える手を伸ばし彼の体に触れる。触れた指先を滑らせ彼の体を私の腕で包み込む。力を込めて抱き締める。
瓦礫が我々の周りに降り注ぐ。おそらく、我々の上にも降るだろう…。

花火が上がる少し前の時間。

「あの婆さんが居なくなった後のこの国は見かけ倒しも良い所。毒姫を贈れないこの国は真に攻めいる力も無い。」

「老婆が居なくなった後には不安を抱えた臆病者の集団だ。俺の気迫に恐れを成す者ばかり。」

「後は…。此処だけ。」

「玉座に着く者のみ!」

「お前達!この騒ぎは一体何事か!?」

「ああ。昨日の花火はこの国が滅ぶお祝いだ。皆、逃げ出しちまったよ。後はお前さんだけだ。
お命頂戴!此処がお前の冥界の入り口だ!積尺気を通ってあの世に行きな!」

「ふざけるな!貴様等!無礼は赦さぬぞ!
…お前…、何時の間に…。」

「我が剣はエクスカリバーと呼ばれている。貴様の首を落とすなぞ容易い事。」

「ま、待て…お前達…。私にこんな真似をして只で済むと…。」

「唸れ!聖剣エクスカリバー!
…つまらぬ者を斬ってしまった…。」

「馬~鹿。遠の昔に只じゃ済まされて無かったよ!クソがっ!
お前、首落とすだけで何の言い回しだよ?何時の間にエクスカリバーとか呼ばれてたんだ?ハッタリかましてんじゃねぇっての。」

ニヤニヤしながら銀髪の青年が黒髪の青年に話しかける。

「しかも、何?最後の?それ、決め台詞?」

「黙れ。貴様の首も落とすぞ。」

「へー。へー。
さてとぉ~。勝鬨を上げに行きますかぁ。」

二人は国境付近迄来ると盛大に花火を上げた。

「しっかし、派手にやりやがったなぁ。城が見る影もねぇよ。」

「あの方はそう言うお方だ。」





毒姫

2015/03/16

時は近い。
どうにかして奴に接触しなければ…。どうやって…。どうすれば…。

「陛下。ご気分でも?些か顔色が優れないご様子ですが?」

「そう見えるか?日に当たれば気分も晴れるかも知れぬな。少し外の空気でも吸いに出かける事にしようか。」

「陛下。お言葉ながら外下は危険でございます。日にお当たりになるのでしたら中庭がよろしいかと。」

「私は『外の空気』が吸いたいのだ。」

「………御意。」

重鎮がギリリと奥歯を噛み締め揺れる蒼い髪の後ろ姿を睨み付ける様に見送る。

重鎮が手配したのであろう護衛を従え城下に下る。
「大袈裟過ぎる。」とか「陛下にもしもの事が御座いましたら。」等とやり取りをし、渋々王が承知し付けた護衛だ。

『もしも』の事、か…。フッ。物影からその様を垣間見ていた私は来た時と同じ様に誰の目にも止まらず気配消して部屋に戻る。

そんなやり取りが行われた日から数日が過ぎたある日。国境近くであの国が盛大に花火を打ち上げられた。

「何事か?」

「花火の様に御座いますな。花火大会でも国民の為に催したのでございましょうか?それとも、ご世継ぎの誕生か…。何であれ、国境近くであれ程盛大に打ち上げるとは!我が国への挑発でございましょうな!」

私も部屋から窓越しに、その次々と絶え間無く打ち上げられる花火を見る。
時は、来た!

暗躍するには闇は良い。何も知らずに権力に胡座をかく様な奴等は高枕で高鼾だ。明朝、それが最後に見れる朝日だとは知らずに朝を迎えるが良い。

天地を震わす様な爆音と地響きで城内は騒然となる。まるで蜂の巣を突いた様な騒ぎだ。
フフフ。踊れ踊れ。逃げ惑うが良い。人を人とも思わぬ権力の亡者共め!

崩れ落ちた瓦礫の上で片膝を上げ、凛とした姿で、城のあちこちで爆音を上げ崩れ落ちる様を見下ろす。蒼い髪が風に靡く。

「サガ!」

「アフロディーテ。大義だったな。今迄、私の為にありがとう。」

そう。私はあの日誓ったのだ。悔しさに拳を握り締め涙する揺れる蒼い髪に。その蒼い髪の主の役に立つ事を誓ったのだ。

大国と大国に挟まれた国境近くの小さな温な領地に私達は住んでいた。サガは領主の子息だった。
私はしがない農家の息子で、領主の子息は村の皆に分け隔て無く優しく接してくれる様な気さくな少年だった。
あの日、この国とあの国が権力を振りかざし我々の住む土地等只の通り道に過ぎないと、村を全て焼き付くし村の人達の命を命共思わずに奪って回り、全てをふみにじった。
父と母が育てた麦の穂。金の波の様な麦の穂が燃え上がった。父も母も大軍が通る際に邪魔な物を退ける様に殺された。人々は逃げ惑い、親や住む家を無くした子供達が泣きわめく。そんな地獄絵図等気にも止めず、大軍は両国に退いて行った。
全てを一瞬にして灰にした権力を前に己の無力さを嘆き、皆を守れ無かった悔しさで涙を流す人物の流れる蒼い髪と握られた拳を見上げ見つめた。
燃え残った建物で、皆が肩を寄せ合い過ごした。弱い子から死んでいく…。その度に悲しみと悔しさの涙を流した。そんな毎日を過ごす我々の前にサガの双子の弟のカノンが戻って来た。この人の事はあまり知らない。何時も何処かに出掛けていて、サガの様に村の人達の優しく話しかけたりして無かったからだ。
カノンはサガに頼まれて両国を調べていたらしい。サガと同じ顔なのに領地に滅多に居なかったカノンはその存在を知られていないから動き易かった様だ。
幼い頃には知らない人だったが、今となっては領主の家で双子の弟が当たり前に過ごせない理由が有ったのかも知れない。
蒼い髪が風に揺れる。サガが私を見下ろして『村の人達の仇を討ちたい。アフロディーテ、残酷な運命が待っているかも知れないが、力を貸してくれないか?』と問う。
私は優しいサガが好きだった。非道な申し出では有ると思うが、それでも、力になりたいと思う程に愛しい。私だって仇を討ちたかった。
私はあの国でウロウロと宛も無くさ迷った。サガの思惑通り、ババァが言葉巧みに話しかけて来た。それからは、私が毒姫として育て上げられ、この国の王を暗殺し混乱に乗じて攻め入ろうとする王の思惑通りにこの国に贈られた。但し、私自身はこの国とあの国を滅ぼす為に来たのだ。誰が私達を踏みにじったあの国の為に暗躍するものか。
頭脳明晰で恵まれた容姿。影で操るには好都合だとこの国の王が張りぼての王として据えるだろうと、サガの思惑通りに事は運んだ。否、サガが全てそう動かしたのだろう。
そして、私はサガの協力者として、この国の、我々の穏やかな時間を踏みにじった本当の王達を亡き者にする。
時は来たのだ!

「サガ、此処も崩れる。場所を移そう。」

サガを影で操っているつもりの王が高鼾をかいている頃、私は人目を避け城内のあちこちに仕込んでやったのだ。ノーベルの発明品を。
場所を知っているのは私だけ。何処が安全で何処が危険か把握している。

昨夜の内にカノンとミロが手引きして、罪の無い下働きの者達は城外に逃がした。下働きの者達が居住していた一画は最後迄安全だ。城外に出れそうな所には私の香気の薔薇を敷き詰めて来た。爆発から外に逃れ様ものなら薔薇の葬列に送られあの世行きだ。冥界の王によろしく伝えて措いてくれ。
彼奴等は上手くやっているだろうか?此処でしくじればあの国の天下だ。

城が崩れ落ちる。瓦礫の山となる。あちこちで爆音を立てて爆発する。

「フッ。フフフ。ウワーハッハハ!皆、見るが良い!我々を踏みにじった権力の象徴が崩れる様を!このエクスプローラを!全て砕け散れ!銀河の星々迄!」

サガ…。正気を保てなくなったか!?フフ。星々迄砕くエクスプローラか。例えるならば、ギャラクシアンエクスプロージョン…。こう言う可愛い面を持ち合わせている所も愛しいのだ、この人わ。

「サガッ!!!」

「カノン!」

崩れ落ちる瓦礫を避けて、昨夜城を出た筈のカノンが駆けて来た。

「何故、戻って来た!お前は逃げろ!逃げて生き延びろ!」

「馬鹿っ!お前も逃げろ!生き延びろよ!一緒に行こう!」

「私は此処に残る。己の無力を嘆き弔いの意で起こした事だが。多くの人達を利用した。私の仕出かした事は決して許される事では無い。」

「馬鹿か!大国が二つ一編に潰れてみろ!他の権力の取り付かれた輩が次に出てくるだけだろ!お前が治めなくてどうすんだよ!」

「お前が居るではないか。」

「何言っ…。」

「此処迄来るのに、私は自分の内面の闇に飲まれる時も有った。カノン、お前には酷い仕打ちをしてしまった。すまなかった…。
カノン、お前は生きろ。ミロを頼むぞ。あの子も残酷な目に遭わせてしまった…。私の分もあの子を頼むぞ…。
お前は生きるんだ!」

サガはカノンに生き延びろと言い、カノンの腕を掴んで渾身の力で崖下の海に投げ落とす。

「サガ~!!!」

カノンの叫び声が段々遠くなる。

「貴方も無茶をする…。『生きろ』と言いながら海に投げ落とすとは…。普通に考えて命を落とすぞ…。」

「大丈夫だ。カノンは生まれた時に海の加護を受けて生まれたと言われたそうだ。海では死なん。私の弟だ。絶対に。女神も見ていらっしゃる。必ず助けて下さる。」

サガははるか遠くに聳え立つ、太古に作られた女神の像を見る。

大丈夫かどうか怪しいものだ。サガは信じたいのだろう。カノンが助かる事を。自分の代わりに土地と人々を守る事を。
私も女神の像を見る。だが、私は実体の無い女神に何が出来るのか怪しいものだと思う。現に、私の両親や友達は殺された。女神は助けてくれ無かった。実体の無い女神よりも、悔しさをバネに立ち上がったサガを称賛する。サガの行いこそ正義。誰が何と言えど、責めようとも。彼こそが私の正義。全てを投げ売っても彼に荷担する。それが、私のサガへの想いの全てだ。

『あの子を頼む』か…。チクリと少し胸が痛むが、今となってはどうでも良い。
おそらく、ミロを見つけて連れて来たのはサガでは無くカノンの方。
子供を助ける為か、サガの言う通りに行動しただけか、自分自身が見初めて連れて来たのか。見初めたのがサガでカノンにそうさせたのか、カノンが見初めた相手を闇に飲まれた心が取り上げたのか、単に利用するつもりだけだったのか。今となってはどうでも良い…。
ミロに話を聞いた時は私がこの人の為に尽くしてる間に金の髪と蒼い瞳に心奪われたかと嫉妬の気持ちも持ってしまったが…。私のこの人への想いは無償の愛だ。そんな事もどうでも良い…。


毒姫

2015/03/16

コメント頂いてさしまいました(^o^)ありがとうございますm(__)m

例の主人公の名前がミロで敵の名前がカミュのあれですが、ストーリーではカミュ子さんにまだまだ会えませんが、イベントのストーリーでカミュ子さん出まして、銀髪ストレートなロングヘアーは知ってましたが、アップで見ると瞳の色が紅でした。カミュさんの瞳の色と一緒ですね。

ほな、いきます。


この男…、否、ミロは無自覚だったとは言え過去に苛まれているのであろう。
それは絶対的な忠義や恩義とは違えど、己の居場所を与えてくれたサガに従う心には反旗の意や反発の思いは無い様だな。それ言え、サガを裏切る事は無いだろう。それはそれで好都合だ。少し餌を与えてやれば上手く立ち回ってくれるであろう。私に最高のお膳立てをしてくれよ。

「ミロ…と呼んでも良いかな?上手くいけば、カノンが助かるかも知れないのだが?それに、カミュと言ったか?彼を捜しに出れるかも知れぬのだが…。君にとっては朗報で悪い話では無いと思うのだが。私の話を聞いてくれないか?」

「本当に!?」

「ああ。今から言う私の話をよく聞くんだ。」

お互い毒気と耐性を持つ身。何処かに聞き耳を立てた者が忍び込んでいたとしても聞く事が出来ぬ位密着して小声で話す事が出来る。

思った通りだ。彼と行動を共にしている時に観察させてもらっていたが、ミロの伸びる様なしなやかな筋肉の付き方は、それ相応の戦闘能力と隠密行動を取れる様な静の動きも雑作無くこなせる様鍛え上げられた肉体だ。
本当にサガと言う男は切れ者の様だ。何もかも抜かり無い…。おそらく、双子の弟の方もそうだろう。
サガよ。二度と燃え上がる町並みや逃げ惑う人々を目にはしたくないものだな。

私は密に双子の弟の方を探る事にした。何時、サガと出会すとも知れぬ危険な場所だ。気を抜く事は出来ない。
少々不粋だが、サガが部屋を去った後ならば…。
主が不在のミロの部屋で扉に張り付き外の様子を伺う。スルスルと布擦れする音が僅かに聴こえる。この間歩ならばあの角を曲がり遠く離れるにかかる時間は…。布擦れの音が止んだとて油断出来ない。歩みを止めた場合も考えられる。それに、直後にお邪魔すると言うのも情緒の無い事だ。
頃合いを見計らい扉をソッと開けてみる。
例のからくり扉を潜り中の空間に足を踏み入れてみる。それなのに生活空間だサガの弟にしては簡素な調度品が転がっている。随分な扱い様だな。
隙間から光が漏れる扉を音が響かない様に軽くノックしてみる。中から焦り様な緊張感が漂って来る。まぁ、無理も無いだろうな。仕方がない。

「ミロ?居るかい?私だよ。」

囁く様に中に居るであろう人物に声をかける。

「アフロディーテ?何で…???」

何故にこの秘密裏に隠された此処を知っているのか?そう言いたい様だな。

「すまないが、衣服を纏って席を空けてくれないか?」

鈍い男では無い。全てを言わなくとも双子の弟に話が有る位分かるだろう。最も、彼は朗報を持って来た位にしか思っていないだろうが。
いずまいを正したミロが出てきたが、不安そうな顔をしている。鈍く無い分完全に私を信じている訳でもないか。だろうな。「大丈夫だ。」密着して囁いてやる。
安心して距離感を気にせずに接する事が出来る相手に余程飢えていたのか、彼は密着して囁いてやると心が休まる様だ。彼の内で立っていた細波が水鏡の様に修まる。

彼が完全に場を遠退くのを確認した私は入っても良いか中の人物に確認を取る。
「ああ。」と短い承諾の言葉がした。
中に入った私を訝しげに見ていたが、「お前か…。」と声を出す。
おや。私を知っているのか?これは光栄な事で。敵国からの貢物の情報迄把握しているとは、この男が切れるのか、仲が良い兄弟なのか、それとも、色気無い話題のピロートークか。しかし、この男、想像以上に瓜二つだな。余程の者では無いと区別しきれぬだろう。それ故にサガの為に暗躍して来た様が目に浮かぶ。

この男は頭が良い。些細なヒントで全てを見透かす。予想外にもサガを裏切る気も無い様だ。だが、それも肉親への情やそう言う物と言うよりは、あくまでも利己的な理由。
裏の裏は表。時は近い。


毒姫

2015/03/15

「よくは覚えてない…。俺が小さかった時に、倒れていた女の人を助けたんだ。その人は看病の甲斐も無く数日で亡くなってしまった…。そんな事が何度か有って…、この土地はおかしいって村の大人達が言ってた。暫くして、村の人達も体調を崩して弱る一方でそのまま天に召される人が沢山出たんだ。
誰か分からないけど、その人に『此処にいちゃ駄目だ。一緒に行こう。』って村を連れ出されたんだ。その人がサガだったんだ…。でも、あの時、俺の手を引いてこの国に連れて来てくれた人は、…カノンだったんじゃないかと俺は思うんだ…。」

「サガ…。この国の王の名か。」

この男はあの国の村か国境近くの別の国の村の子供だったか。倒れていた女と言うのは、ババァが使い物にならないと捨てた女だろう。あのババァ!何て酷い事を繰り返して来たんだ!
その女達を看病してた時に毒気を吸っていたんだな。生まれつき毒の耐性が強い体質が幸いして自分が蝕まれる事にはならなかったのだろう。その分、自分の体に毒気が蓄積されていったのであろうな。村の者達が次々亡くなったのは捨てられた女達から体内に入った者達もいるのだろうが、おそらく、この男の毒気のせい…。

「それで…、サガから俺の体の事を聞かされた…。村の人達が死んだのは、俺のせいだったんだ…。」

何も知らない子供が事実を知らされた時…。辛かっただろうに…。

「サガが、『何も知らなかったんだから俺のせいじゃない。俺の体をこんなにした奴や村の人達の弔いと敵討ちをしてやる。』って言うから…。こんな体じゃ、俺の居場所なんて何処にも無いだろうし…、サガの世話になっている。こんな体じゃ、カミュを捜しになんて行けない…。見つけられても、一緒に居られない…。カノンの体も心配だし…。心配、だけど…、俺が近くに居たら体が弱る一方なのに…。このままじゃいけないのに、俺…、どうしたら良いのか分からない…。」

「カミュ?」

「俺の一番の友達。村の人達が沢山死ぬ前に突然いなくなったんだ…。紅い髪が綺麗な子だった。」

一番の友と言うのならば、村の者達に影響が出る前に既に蝕まれていたかも知れぬな…。もし、私の推測が現実ならば…。もし、事実ならば、この男はその事実を知った時どうなるか…。否、待てよ…。紅い髪…。紅い髪…、何処かで目にした記憶が…。別人かも知れぬが…。
この男の話と小さな記憶の欠片がパズルのピースの様に組合わさり色々な憶測を呼ぶ。只の推測に過ぎないが、おそらく、これが、事実…。
サガ…!!!

握り締めた拳の力を抜き、努めて冷静に問い掛ける。

「酷な事を聞くが、覚えている範囲で良い。村の者達が体調を崩した時や日増し弱っていった時、何か同じ様な病状等無かったか?例えば、髪が抜け落ちるとか目眩がするとか。」

「…体に、痣の様な物斑点が出た。それ自体は痛くも痒くも無いみたいだけど、体が弱るに連れて斑点の数が増えるんだ…。それが十個位になったら体に激痛が走るんだって…。それがもっと増えたら血を噴いて…、…死ぬ、んだって…。気が狂う位痛みにのたうち回って…、最後迄苦しんで…。」

体に浮かび上がる斑点が十数個になったら激痛を伴い血を噴くか…。壮絶な最後を迎えるのだな…。私も、誰かに毒を盛る為に作り上げられた身だが、想像を絶する最後だ…。まるで、体に浮かび上がる天の蠍の毒だな…。

「それで。先程カノンと言っていたが、その者も君の毒気に蝕まれているのか?」

絶望的な表情を浮かべ頷く。

「分かりやすい症状だ。体に浮かび上がった斑点の数は?」

「まだ片手で数えられる位…。だけど!きっと、もっと増えるに決まっている…。」

片手で数えられる位…。まだ助かるかも知れない。そうすれば、私の体も只では済まないだろうな…。あの人の為に力になりたいとは思ったが、別人の為に私が犠牲になる等…。だが、それも過程で最終的にあの人為になるので有れば…。私は、本望だ。






毒姫

2015/03/14

使える者と使えない者、支える者と支えない者。しっかり見極めなくてわ。
どこから突いて行こうか?悪態を衝けるのは反旗の意か?親しみが有る間柄故にか?あの時、あの豪奢な金の髪の男…ミロと呼ばれていたか?あれは何も言葉を発しなかったのはどちらの意か?
あの夢が私を奮い立たせる。あの時頷いた私は…。必ず役に立ってみせると誓った。あの人の為に。失敗する訳にはいかない。

「ようこそおいでくださいました。」

「おや。貴方から招き入れてくれるとは。少しは仲良くなれたと思ってもよろしいのでしょうか?」

見極める。この男を見極めてやる。

私はその男の前に跪き、片手を取り、手の甲に口付ける。
男は「やめて下さい!」と焦りを顕にし私が取る手を振りほどこうとする。

「何故にございましょうか?私は王君に贈られた者。私には優しく接して頂いた貴方様に僅かながらお礼をしたいのでございます。」

「お気持ちだけで結構です。私は貴方と語らうだけで十分楽しい一時を過ごさせてもらってますから。」

「ご無礼をお許し下さい。何故にそんなに間を取るのでございましょうか?語らうのならば、もう少し間を詰めてもよろしいではございませんか?」

ズイッと一歩踏み込めばスッと下がる。フン。何処迄退けるかな?私から見ればお前はまだまだ青い小僧も同然だ。私を前に退く事しか出来ぬのであろう?その気になれば押し退ける事も出来るであろうに。それとも、真の王の持ち物に掠り傷の一つも付けられぬと躊躇するか?何処迄も躾上げられたものだ。そうならば、この者は王を裏切らぬ者であろう。だが、まだまだ。コイツの真意を見極めなければ。

「やり取り出来る距離で十分じゃありませんか。」

「何故にございましょう?」

「何か私が側に寄ると不都合な理由が有るのでございますか?」

退く事しか出来ぬ小僧か。後は無いぞ?お前の後ろは私の寝具。そのまま雪崩れ込む覚悟も出来ている。攻撃は最大の防御。…あの人の言葉だったか?風に靡く蒼い髪が脳裏に浮かぶ。
フン。まるで蛇に睨まれた蛙の様だな。このまま其処に押し倒してやろうか?

「何か不都合な理由でも?」

私の寝具に広がる豪奢な金の巻き髪。まるで金の海の様に広がる。あの穂を揺らす金の波の様な実りを思い出させる。綺麗な髪だ…。
私は、泣きそうな表情を浮かべ、男の胴の脇に両膝を着き馬乗りになる私の、おそらく妖しい笑みを浮かべているであろう私を見上げる男を見据えて問い掛ける。
怯えた表情が私の忘れていた雄の感情を刺激する。そそられる。
任務執行への忠実性か、雄の本能の赴くままか、自分自身にも分からなかったが惹き付けられる様に口付けを落とす。見上げる怯えた表情が弾かれた様に私を押し退ける。

「貴方の!貴方の体が!命に危険が!」

暴れるな!落ちるだろうが。もう少しで全て吐きそうだな。悪いお兄さんに捕まったと諦めてくれ、青年。私にはどうしてもやらなくてはいけない事が有るんだ。
私を侮るな。私はそんじょそこらの華奢な細腕の優男とは訳が違うんだ。
私は腕に力と全体重を込めて下に組敷くこの男の肩を押さえつける。流石に全体重を一点に掛けられると痛いか?私の下で苦痛に歪んだ表情をする。フゥ。漸く大人しくなったな。中々に良い眺めでは有るな。

「私の体?私の体が如何なさいましたか?私の命に何が危険を及ぼすのでございますか?」

フン。我ながら滑稽な状況下にいるな。組敷いた相手に敬意を払った言葉使いで問い掛けているとは。早く口を割ってくれないか?私はこんなやり方は好まないのだよ。

「私の…、体には毒気が…。余り接触したりすれば、その相手が毒に…、蝕まれてしまい…ます。命の保証は出来ない…。」

よし。漸く口を割ったか。もう一息だ。

「王君の体に毒気が?そんなお戯れを仰って…。王君ともあろうお方にその様な事があろう筈がございません。私めをおからかいなさろうとされましても私は騙されたりしませんよ。」

首筋に口付けを落とし耳たぶ辺り迄舐め上げる。耳たぶを優しく噛み、そのまま頬に唇を這わせて口付ける。

「本当なんです!信じて下さい!」

私の動きに合わせて肩をビクッと跳ね上げる反応に嗜虐心を掻き立てられる。その素直な反応が名残惜しくも有るが今はお楽しみの時間では無い。自分を戒め、問い掛ける。

「信じましょう。但し、全て話して下さいますか?然もなければ、私はこのまま貴方様を組敷いたまま貴方様を堪能する事にしますが。もし、貴方様の仰る事が本当ならば私の体は毒に蝕まれて命を落とす事になるのでしょう。」

我ながら滑稽な台詞を吐いたと自嘲する。何て丁寧な敬意を込めた口調の脅し文句か。
それにしても、散々右往左往してこんな簡単に口を割らす事が出来るとは。否、あの右往左往が有ったからこそこの成果を得られたのだ。

「今の事で貴方が毒に侵されてしまったかも知れない…。俺のせいだ…。」

ほぅ。口を割ると腹を決めた途端に王の振りも止めるとは。中々に潔い男ではないか。
さて、この男からどんな話が聞けるのか?そんなに悲痛な面持ちになるな。此方の方が見ていて痛々しくなる。仕方がないな。ギブアンドテイクといくか。

「話してくれる見返りに良い事を教えてやろう。私も毒の耐性を持っているのだ。それ故に、君の毒気に当てられる事も蝕まれる事も無い。だから、君の毒気せいで私が命の危険に晒される事も無い。」

鳩が豆鉄砲を喰らうと言うのはこう言う顔か。余りの口をポカーンと開けたバカ面が間抜け過ぎて思わず「プッ」と吹き出してしまった。…僅かながら、こんな愉快に思う感情で笑いを口に出したのは何年ぶりか…?とっくの昔に忘れてしまった、無くしてしまった感情だと思っていたが…。

「そっか。良かった。貴方が無事で本当に良かった。」

心の底から向けられた笑顔が眩しい。感情のままに浮かべた笑みはこんなに眩しい程の笑みで有ったか…。そんな事も忘れてしまっていた。内心と違う表情、作られた微笑み。そんな物に慣れ親しんだ私には、感情のままの笑みが、日の光の様に眩しい。日の光の当たる場所から遠退いて生きて来た私には眩し過ぎる。
この男が、私と…、誰かと接触し己の毒気に蝕まれる事をあんなに恐れるのは過去に何か有ったのか?それとも、あの双子の弟であろう男…、カノンと言ったか?あの男が己の毒気に蝕まれていく様を目の当たりにしているが故にか?あの男…、カノンの体の毒の進行はどれ位なのであろうか…。





毒姫

2015/03/14

しかし、あの豪奢な金の巻き毛と交わっているのならば、あの王は既に相当蝕まれていると言う事になるのだが…?私は垣間見た真の王の姿を、あの蒼い髪が流れる様を思い出す。
あの凛とした佇まい。聖人君子の様な笑み。とても毒に蝕まれている様には思えないのだが…。
呻く様な声の後に寝具が軋む音も止み、荒い息遣いしか聴こえて来なくなる。私は真の王の姿を思い出し考え事をしていた頭の中を切り替え、耳を澄ます事に集中する。
荒い息遣いの合間に途切れ途切れに聴こえて来る声。主は垣間見た時に僅かに聴こえた王の声によく似ている。やはり、あの男と交わっていたのはあの蒼い髪の王なのだろうか。

「おま………、本当………、悪…趣味………。」

「フフ。そんな強気な事を言うな。可愛い弟よ。そんな姿を見たらその鼻っ柱をへし折ってやりたくなるだろうに。」

「何だ……よ。俺、は…、お前の言う事を、黙って…聞いときゃ、良い…、っての、かよ…。」

「何を言うかと思えば。そんな訳有る筈も無い。私はミロに触れる事が出来ぬ身。だから、私と同じ姿のお前に代わりの務めを任せているのではないか。お前が可愛い弟だからだ。私が、お前ならばミロに触れる事を赦せるからではないか。」

「俺に抱かれるミロを見て、自分が抱いた気持ちになれるってか…。この変態野郎が。」

「フフ。本来ならば、私にそんな口を利く様な輩には容赦はせんのだがな。だが、私の代わりに毒に蝕まれ続けてくれる可愛い弟への感謝の意だ。黙って受け流して措こう。
自分の意中の相手と睦ぐ営める事は自分の望みが叶っているのではないか?お前の望みを叶えてやりたいと言う私のお前への、可愛い弟への愛故に、だ。」

床に布が擦れる音…。中の様子を察するに、布が擦れる音を出せるのは衣服を着けた者のみ。王が動くか?此処は早々に退散した方が賢明か。
私は足早に音を立てずにその場を後にした。
僅かに中から漏れた声が背中に聴こえる「愛してるよ、カノン、ミロ。」

私は部屋に戻り、先程の事を考える。毒に蝕まれない様に自分と同じ容姿の者に相手をさせているのか。それを見て恍惚とした気持ちになれるとは…先程の者が言う様に悪趣味な。
自分と同じ容姿の弟…。そんなにソックリな弟なのか。もしかすると、双子なのではなかろうか?それに、あんなに秘密裏にしていると言う事は、双子の弟の事は国の者達には内密にしているのではなかろうか?
王に悪態を衝ける隠された存在の双子の弟…か。この者ならば引き込む事が出来るかも知れない。
否、焦りは禁物だ。まだまだ時間をかけてでも探る方が良い。

翌朝目を覚ました私は、眠りに就いていた時に見た夢を思い返す。
金の穂が風に揺れる。まるで、黄金の波だ。その畑に見える二つの人影。私からは見上げる様に見える。あれは…私の両親ではなかろうか?風に靡く蒼い髪…。私はそれも見上げる様に見ている。燃える…。黄金の波が燃え上がる…。逃げ惑う人達…。泣きじゃくる子供達…。あの中に私はいるのか…?握り締められた拳。靡く蒼い髪…。全て見上げて見ている。誰の顔…?何か言っている。動く口元しか見えない。私は…頷いたのか?見上げた人物がぶれる…。
何て夢を見たのだろうか…。哀愁に取り付かれている場合では無い。私は毒姫。国を滅ぼす為の兵器。



毒姫

2015/03/14

今夜も真夜中にあの男の部屋に様子を探りに行ってみた。
この城内の者達の動きも大分と把握出来る様になった。それに幸いにもあの男の部屋の一画には城内の者達は誰一人として近付かない様だ。
あの角を曲がった廊下に並ぶ扉の一つがあの男の部屋だ。そこ迄近付いた時に物音に気付く。壁を背にして角を曲がった廊下の様子を伺う。
あの男が部屋から出てきた様だ。パタンと控え目に扉を閉める音が鳴る。誰一人近付く者も居ない一画だと言うのに、真夜中の騒音を気にかけるとは。律儀な性格なのか、そうなる迄仕込まれた結果なのか。
男は廊下の突き当たりの石造りの壁を手探りする様に触ると、石造りの壁を扉を開ける様に引いて開けた。
ほぉ…。隠し扉か…。そんなからくりが有るとは、如何にもって感じだな。どんな秘密が隠されているのか?
男がまた手探りする様に石造りのからくり扉を触り、扉を引いて閉める。
しっかりと扉が閉められる様子を確認した私は、音を立てずに足早に近付き石造りのからくり扉の向こうの様子を伺う。物音一つしない。意を決して、あの男が手探りしていた辺りを調べてみる。ほぅ。僅かに指が引っ掛かる様な窪みが有る。其処に指を四本引っ掛かけ石造りの扉を引いてみる。
石造りと同じ石を薄く切って板戸にタイル張りの様に違和感無く張り付けて有るだけで、見た目と違って凄く軽い。しかも、粗造りでは無く、ご丁寧にスムーズに無音で開閉出来る様に丁寧な作り方だ。そこ迄して隠したい秘密とは何なのか?もしもの時の事を考え、扉が完全に閉まらない様にポケットからメモ用紙を取り出し、そこそこの厚みに折って挟み込んで措いた。
ゆっくりと暗闇に馴れた目で周りを確認しながら足音を立てない様に進む。ずっと並ぶ石造りの壁に僅かに出っ張りが有る事に気付いた私は、目を凝らして確認してみる。先程のからくり扉と同じ物の様だ。同じ物ならば無音でスムーズに開く筈だ。僅かな隙間で風が流れたりしないかを確認する。風が流れる所か締め切られた籠った空気しか感じない。私は意を決し、窪みに指を掛け、中の音が聴こえる程度にそのからくり扉に僅かな隙間を作る。
暗闇に僅かな光が漏れている。この中にある空間にもう一つ扉が有る様で、閉められた扉の隙間から漏れている様だ。光の漏れは僅かで、中の空間の暗闇を裂く様な事は無く、中の様子を詳しく伺う事は出来ない。だが、閉められた扉の向こうから漏れる音に耳を澄ます。
荒い息遣いや時折漏れる短い声。声と言うより音の様に短い。小刻みに漏れる声や寝具が軋む様な音。寝具が軋む音と同じテンポで鳴る粘り気の有る水音。
ふむ。大したヒントだ。中を見ずとも分かる。交わる時に漏れる音だ。時折漏れる短い声は時折漏れる所か絶え間無く漏れ、既に短い声では無くよがる様な喘ぎ声に変わっている。声の主は聞き覚えの有る。間違いなくあの豪奢な金の巻き毛の主だろう。王の寵愛を受けている身だ。受け入れる事も多々有るだろう。
だが、しかし、王の寵愛をこんな手の込んだ秘密裏に受ける必要性が有るのだろうか?
寝具が軋む音と漏れる声のテンポが早くなる。そろそろインサートも終了するのであろう。私にはこんな趣味も性癖も無いのだがな…。だが、終えた後に何か身になる事を聴けるかも知れない。そう思えば、こんな悪趣味な行動も暫しの我慢だ。


毒姫

2015/03/14

「今日は花を生けてないのですね。」

「はい。今日は良い咲き具合の花が手に入らなかったもので。」

「残念です。貴方には紅い薔薇がお似合いなのに。」

「此処で見ずとも中庭に咲いてるじゃありませんか。私の事等お気になさらずにお足をお運びになさればよろしいのに。」

「いえ。貴方の側で咲いている薔薇を見るのが好きなんですよ。貴方の薔薇の香気が好きなんですよ。他の薔薇には無い美しさと香りです。」

何だと!?私の薔薇の香気が好きだと!?他の薔薇とは違う香気がするだと!?馬鹿な!!!あの香気が普通の薔薇の香気と違う等と気付く者等居ない筈だ!ババァでさえ、私が只の薔薇が好きで愛でていると思っていた位なのに!そう言えば、あのババァは翌朝を向かえられたのだろうか?まぁ、無理だったろうな…。
それにしても、この男、何者だ!?

「どうかしましたか?」

「いえ?何もありませんが。只、王様がお口がお上手だと、嬉しく思っていただけです。」

私は常に相手に悟られない様に鏡で自分の表情を確認している。先程の私の表情は完璧だった。私の内心を悟られる様な表情はして無かった筈だが。この男、何か勘づいているのか?何か知っているのか?少し見極める必要が有りそうだな。

「王様、でしたら、今から中庭迄ご一緒しませんか?王様がお気に召す様な花が有るかは分かりませんが。」

「そうですか。外にお出にならない貴方を案じていたのですよ。ご一緒しましょうか?」

おかしい…。何故、影武者として玉座に座らされる様な者がこんな城内でも裏になる様な一画ばかり進むのか?まさか!本当に私の毒気の事に気付いているのでは!?
…否、おそらく、この男も自由に出来る身では無く、華やかな一画を好きに往き来出来る身では無いのだろう。だが、警戒するに越した事は無い。

中庭に着いた我々は何をするでも無く、大輪の花々の中を歩く。
視線を感じた私は何も気付かない様に振る舞い、視線を感じた方を向いてみる。
向いた先には一心不乱に筆を動かす者が居た。

「絵を描いてらっしゃるのですね。見事な花々ですし、お気持ちは分かります。私が邪魔になったりしませんでしょうか?」

「大丈夫でしょう。」

「そんな事仰って…。王様に苦言をする者なぞいませんでしょうから。」

「違いますよ。あの者は何を描くか迷っている様でしたよ。貴方を見て描き始めたのですから、貴方を描いてるのでしょう。貴方の美しさを描いてるのでしょう。」

「本当にお口がお上手ですね。王様の美しさを描いてらっしゃるのかも知れませんよ。こんなに豊で雅やかな金の巻き髪。他にいらっしゃいませんよ。こんなに美しい蒼の瞳をしてらっしゃるのも王様以外におられません。」

本当に豪奢な金の髪だ。こんな美しい巻き髪は見た事もない。無意識に揺れる金の毛先に手を触れていた。

「申し訳ございません!勝手に手を触れる等とご無礼な真似を…。」

「いいのですよ。それよりも…。もし、体調が優れない時は直ぐに言って下さいね。」

王の影武者はフッと表情を曇らせた。

何だ?毛先に触れた位で体調の変化を気にする等と…?まさか、この男も毒気を…?否、そんな馬鹿な。しかし、私の薔薇の香気の事と言い…。よし、先ずはこの男が何者か探るか。

宛がわれた部屋に戻った私は、音を立てない様に注意して出ていった男の後を付ける。
私が宛がわれた部屋が有る表面上の城内より陰になった一画よりも更に陰の一画になるであろう何の装飾も無い石造りが剥き出しの壁に毛足の長い絨毯も無い石造りの廊下。それでいて下働きの者達が居住している一画とは別の一画に並ぶ扉の中に入って行った。
此処があの男の部屋か?重鎮共に認知されている割には何故にこんな秘密裏な場所で寝起きさせられているのか?益々、謎な男だ。

一旦部屋に戻った私は、憲兵も居眠りする様な真夜中にあの男の部屋に向かった。細心の注意を払い無音に近い音で扉を開ける事に成功した。
部屋は無人であった。何処に行ったか気にもなったが、此幸い、暗闇に馴れた目で部屋の中を見回す。
へぇ…。随分と陰の一画に住まわされているにしては室内に有る調度品や装飾品は質の良い物ばかりだ。宝飾品が埋め込まれている物迄有る。これは…、王家の紋章か?あの男、王族か…?否、まさかな…。差詰、王の寵愛を受ける者であろう。寵姫…と言った所か。あの王の寵愛を…。王の蒼い髪が脳裏に浮かぶ。否、今はそんな事はどうでも良い。私は頭を振り気を取り直す。長居は危険だ。今日はこれ位の収穫で良しとしておくか。

「ご気分は如何ですか?体調は大丈夫ですか?」

翌日、何時もの様にあの男が私の部屋を訪れた。
賭けに出るのは危険過ぎるが、私には勝算が有った。危険な賭けに等私が出る筈無かろう。私の推測は確信しているものだ。耐性維持等と生温い代物では無い。毒の耐性が無い者では耐えられまい。私の香気で直ぐにでもあの世行きだ。差詰、名付けるならばロイヤルデモンローズと言った所か。
間違いない。この男は毒の耐性を持っている。暢気に「今日は幾分香気が強い様ですね。芳しい香りだ。」等と言っている。後は…。この男も毒気を持っているかどうか!私の推測では間違いなく持っている。そうで無ければ、あんな僅かに手を触れただけで相手の身を案じる訳が無い。

何時もの様に僅かな時間で部屋を男は後にする。
さて…。あの男も毒の耐性も毒気を持つ事は分かった。分かった…が、何の為に?奴もババァから贈られた毒姫?それはないな。あのババァは以前贈ったかどうか忘れたり間違えたりする様なババァでは無い。そんなミスは命取りだ。確実にあの国の王に首を跳ねられる。ポトリといっている筈だ。国の存続にも関わり、もっと大事になっている筈だ。では、何故…?分からない。分からないが、王が何らかの形で手に入れ、毒気の存在に気付いた。気付いたが、手離す事が出来無い位の存在…と言った所か…。
奴は、敵か?味方か?味方ならば、一夜にして城を落とす位の事をやってのけれるのだがな。しかし、相手は毒気が有っても手離されない程の寵愛を受けている奴だ…。一筋縄ではいかないだろうな。
待てよ。もし、王自身にも毒の耐性が有るのではあるまいな?その場合も今回は有り得る…。しかし、最初に姿を見せたのは奴だ。そんな相手を何を企んでいるかも知れない貢物に会わせるだろうか?
…分からない。この国の王の考えは全く読めない。苦悩する私の脳内にあの蒼い髪が浮かぶ。



毒姫

2015/03/14

私を侮るな。
容姿だけを磨かれ敵国の王の寵愛を受け少しずつ毒に蝕み敵国の王を亡き者にする、今迄ババァが育て上げた毒姫とは違うのだ。
権力の上に胡座をかいている様な城内の重鎮共や王を守護する名目で街の者達よりも上だと場合に因っては守るべき街の者にも手を上げる様な兵団、喰う為に下働きをしているだけの普通の者達の目を掻い潜り城内を動き廻る位訳は無い。

他国の従者と謁見する王の姿を盗み見た。
蒼い髪が映える美しい顔立ちの男だ。何者にも臆する事無い凛とした佇まいに、聖人の様な柔らかい物腰と微笑みで、人の心を掴み、その者の心を決して手放す事等雑作も無い様な男だ。
蒼い…。私の好きな蒼だ…。あの蒼こそ、私の好きな蒼…。
真の王の姿をチラリと見れればそれで良い。長居は無用だ。私は数秒其処に居ただけで、誰の目に触れる事も無く、誰にも気配すら気付かれる事も無くその場を後にした。
王が、王の周りの者達に気付かれる間も無い位の瞬時、一瞬だけ此方に視線を向けたとも気付かずに。

真の王の姿を知る事は出来たが…。どうやって接近するか…?まだ動くには日が浅いか?もう少し長いスタンスで実行しなげればならない様だな。時間を懸けても必ず…。

私が此処に来て何日になる?おかしい…。真の王が私の元に訪れないのは当然の事だが、最初に王として会ったあの男、王の影武者すら私の元に訪れない…。もし、何か勘づかれていたとしたら…。否、勘づかれる様な事は無いもしていない筈だが…。しかし、私の置かれた状態…。腑に落ちない…。
長いスタンスでいこうと、確実に仕留めるにはどうすべきか?計画を練るには一人で部屋に籠っているには持ってこいだが、それでも、私が猜疑に掛けられた立場で有れば上手くいく訳も無い。
上手く達振る舞うには城内の者達の警戒を解くべきなのだが…。余り公に動けば怪死する者が出るもや知れぬ。無駄に騒ぎを起こすのは避けたい。だから、尚更、私の置かれた状態が引っ掛かる。
もう少し探ってみようか。一国の王には似つかわしく無い様な城内の陰の一画も。王に似つかわしく無い一画でも自分の城。立ち入らないとも限らない。

私が此処に来て何日経ったか?例の影武者が訪れた。

「ご無沙汰してますね。ご機嫌は如何ですか?」

「勿体無いお言葉です。王様は随分と丁寧な物腰でいらっしゃるのですね。お優しい王様で私は幸福者ですね。」

「そうですか?そう思って貰えるのならば光栄ですね。」

操り人形なんかと暇を潰している場合では無いのだ。内心苛立たしい。苛立たしいと同じく焦りも有る。常に微量の毒気を摂取し続けないと耐性が弱まってしまう私は香気を放つ薔薇を何時も花瓶に生けているのだ。もし、この微量の香気をでこの男が毒気に当てられでもしたら…。
この男も操り人形。おそらく、自由は無いだろう。然もすれば、この男が私の元を訪れた事も周知の域…。

「部屋に籠ってばかりいては気が滅入りませんか?少し外の空気でも吸いに行きませんか?中庭には貴方がお好きな薔薇も植えてありますよ?」

「お心遣いありがとうございます。然れど、私は陰の者。このお国に不快に思われる方々もいらっしゃるかも知れません。」

「そうですか。残念です。」

僅かな会話を交わす位の些細な時間で例の男は部屋を去る。
危なかった…。長時間共に居たり、交わる様な事になれば…。即死する様な事は無くとも確実に微量に毒を摂取する事になる。もし、あの男が少しの毒気でも体調に変化を起こす様な体質だとしたら…。何も出来ぬ時に騒ぎは起こしたくない。

その日を境に、僅かな時間では有るが、例の男は毎日私のご機嫌を伺いに訪れる様になった。
僅かな時間とは言え、毎日訪れると言う事は私に嫌疑の目を向ける者は城内に少ないと思われる。否、私を游がす為の所為かも知れぬ故に安心は出来ぬが。
まだ安心出来る状況では無いが、例の男が訪れる時間帯は大体決まっている。その時間帯に香気を放つ薔薇を隠して措けば、例の男の体調の変化や怪死に至る迄は避けられ、無用な騒ぎも回避出来るかも知れない。まだまだ、気を抜けない状況下に置かれているが。上手く事を運ぶには此幸いとしておこうか。




毒姫

2015/03/14

謁見の間で玉座の正面で膝を着き頭を垂れて、玉座に鎮座すべき者の登場を待つ。玉座から遠く離れた、毛足が長い高級な絨毯とは言え皆が土足で歩く床でだ。

この国の重鎮だろう。「面を上げろ」と声がする。
顔を上げた真っ正面、嫌でも一番に目に入る玉座に鎮座するこの国の王の姿。
黄金の巻き髪が美しい。瞳の蒼に心を奪われる。私の好きな蒼を思い出させる。
あの方の蒼はこんな蒼だっただろうか…。美しい蒼だ。

王は言葉を口にする事無く。優しい微笑みを浮かべ私を見る。
重鎮が王に「陛下」と、一言と発すると、王は立ち上がり私に「此方へ」と、声をかける。

何だろう?違和感が有る。
『操り人形』 そんな言葉が私の頭の中で思い浮かぶ。

揺れる巻き髪を見ながら王の後を歩く。豪華な装飾に彩られた細部迄作り込まれた扉が並ぶ長い廊下を歩き続け、装飾品が数を減らした石造りが目立つ様になった壁に並ぶ、それでも細部迄作り込まれた扉の一つの前で、巻き髪の揺れは止まる。王が足を止めたのであろう。

「この部屋が貴方の部屋です。」

扉を開けると、王族や貴族の者の部屋とは程遠い、それでも、一般的な者達ならば目にする事無く一生を終えるであろう装飾をされた部屋が広がる。

「自由にしてよろしいのですか?」

「ご自由にどうぞ。」

「そうですか…。
例えば、この様な薔薇を部屋いっぱいに飾っても?」

私の香気を放つ紅の薔薇を一輪、王の前に掲げてみせる。

「結構ですよ。」

何も知らぬ者からすれば、これは只の美しい薔薇だ。薔薇を見て臆する方が不自然だ。だから、この王の対応も当然の反応だ。だが、やはり、何かが引っ掛かる。
あの国でも私は城内を自由に歩けた訳でもない。それどころか、あの国の王に会った事すらない。だから、贈られた女がどの様な扱いをされるのか等、私には全く分からない。豪華な装飾に彩られた一画に部屋を与えられるのか、そんな華やかで権威を誇る様な一画とは違う、城内でも隠された様な一画に部屋を与えられるのか、 はたまた、そんな一画よりも、もっと隠された様な一画…。下働きの者が生活する様な一画や、咎人を閉じ込めて置く様な光の当たらぬ一画。その様な一画に部屋を与えられるのか。
これが相応の扱いなのだろうか?この国の者達は私の毒の事を知る筈が無い。否、只の貢物でも警戒無しに受け入れる国等無いであろう。どんな企みを持って送り込まれたか知れた物では無いのだからな。
では、何故、王自ら貢物を…?『操り人形』成程、そう言う事か。
さて、どうしたものか?此処で猜疑を表に出すと私は一発で謀反人だ。容姿だけの頭が空っぽの女の様に振る舞うか?

「ありがとうございます。」

ババァに散々叩き込まれた笑みと声色で、心からの何の含みも持たぬ者の感謝の意を述べる。
王は優しい微笑みを崩さずに、逆に言えば、私の、ババァが言う誰もが魅了される微笑みにも無反応で、「長旅でお疲れでしょう。ごゆっくりお休み下さい。」と告げ、踵を返す。

あの男。何者だ?おそらく、この国の王の替え玉だろう。
綺麗な容姿等自分を鏡で見飽きたか?それとも、心を微塵に揺らがす事も無い位に叩き込まれ作り上げられた人形か?
何が、誰もが魅了される微笑みだ。ざまぁねぇな、ババァ。
替え玉や操り人形に良い様に振り回されている場合では無いのだ。この国の王に会わなくてわ。この国の王に…。


毒姫

2015/03/14

実在の毒姫のお話とは内容や展開や結末は異なりますよ。
あくまでも、毒姫のお話読んで「アフロさんやミロさんなら毒姫になれるんじゃね?」って、思い付きから来たお話ですので。
性別云々は煩わしいので、端から問題nothingでいきますね。

実在の毒姫、全巻完結迄読んだ訳じゃないですが、三つ子がね、星矢で双子ってだけでもややこしいのに、三つ子…。更にややこしいんじゃね?ですよね。多くても仲良しなおそまつくんは逸脱した存在なんですねぇ。何せ、六つ子。六つ子と言えば、外道侍の五つ子×4で手下が20人って発想は笑いましたね。外道侍や神コロ様の事を考えたら、サガさんの小ネタが出来る気がしますよ(笑)←話がずれてるよ。
そう言えば、トリコのココも毒姫状態ですね。
うだ話はそろそろ止めて、兎に角、いきましょうか(^^;


幼い頃から毒を少しづつ摂取し、毒の耐性を付ける。そうして、育ったのが我々、『毒姫』。
敵国に贈られ、敵国王を毒で蝕み亡き者とする、人間兵器。
普通の人とは接触する事が出来ない、毒人間。
太陽の光が差す明るい大地から、閉ざされた世界でのみ生存する事を許された、忌み子。
勿論、全ての者が育つ訳では無い。毒の耐性が付く前に自分が蝕まれ命を落とす者も沢山居る…。
私が、今日この日迄、生きていられた事の方が幸運だったのだ。

「本当にお前は美しい。私が育てた今迄の誰よりも美しい。お前は私の最高傑作だよ。」

城下でさ迷う孤児であった私を拾い上げ、私を今日迄育ててくれた乳母が私の容姿を褒め称える。
育ててくれたと言えば聞こえは良いが、命を落とすかも知れぬ私に毒を盛り続ける張本人だ。
一体今迄、私以外に何人を育て上げた事なのだろうか?そして、何人の命を奪ったのか。
この女は私の側に居ても平気な様だ。抗体が有るのか?解毒薬でも持っているのか?分からない。分からないが、毒が平気ならお前自身が行けば良いだろうが、このババァ。地獄に落ちろ。いくかね?ポトリと。とでも言ってやりたい位の悪行だ。地獄界、修羅界、餓鬼界、…後は知らない。私には六道や輪廻や天魔や降伏だ何だなんて程遠い世界だ。だが、願いを込めて先に言っておいてやろう、ババァ。落ちたか。私の目を開けさせたのが間違いだったのだ。
そんな思いは微塵にも出さずに、このババァが手放しで称賛する笑みを浮かべて「ありがとう。」と、貴女のおかげよ。と、言う感謝の意を込めた言葉に聴こえる様な音で言葉を返す。

「お前は誰よりも恵まれた器量で、特に毒への耐性も強い。『毒姫』になる為に生まれ落ちた様な存在だよ。」

そんな者になる為に生まれ落ちる存在なんて有るものか!自分が何を言っているか分かっているのか?悪鬼めが。何が、誰よりも恵まれた器量で毒の耐性も強いだ。裏を返せば毒姫の妖しい毒牙に架からない存在になり得ると言う事だろうが。
言葉は口にせずに、このババァが誰もが魅了されると絶賛する微笑みを浮かべる。

私は今日、この国と敵対する国の王に貢物として贈られる。その国の王の息の根を止める為に。
今日で最後だババァ。今迄育てくれた私からの感謝の意だ。せめてもの餞に受け取ってくれ。お前の寝室を薔薇で埋め尽くしておいてやろう。薔薇に埋もれて眠るが良い。私がこの国を去った翌朝目覚める事が出来たなら、貴様は正真正銘妖怪だ。私には無くてはならない薔薇の香気に耐えられたのだからな。





やっと、やっと土曜日だぁ♪
先週は長男の卒業式が有り、幼稚園で卒園式の準備を進めでバタバタした一週間でしたんで、朝からマタリーノの土曜の朝が嬉しくてひとしおです(^^)

日曜や来週も次男の卒業式や長男の入学説明会、卒業式のお手伝いでバタバタで、続きが飛んでしまいそうですが、アフロさんの誕生日だしの毒姫いきはじめますね。

の、前に、前の記事のアンタレスちゃんの進化後。アンタレスちゃんと蠍さんの頭がミロさんの聖衣のヘッドパーツの前頭部みたいですね。
ミロさんの聖衣がアイディアの元なのか、何か蠍モチーフの鎧兜みたいなのが実際在ってそれが元なのか、それともはたまた蠍ったらこんな感じって共通のイメージが有るのか分かりませんが、兎に角、前頭部がミロさんのヘッドパーツ前頭部してますね。
アンタレスちゃんもコートの裾はためかせて絶対領域見せてくれてますね(笑)
でも、腰部分と足パーツの形がミロさんの聖衣とは程遠い…。残念。


プロフィール

尾羽っSUN

Author:尾羽っSUN
オバハンが言いたいけど他で言えないって事をほざいてます。
主に腐話。主に聖闘士星矢。主に脳内妄想。
カミュミロが主のミロ受けがメインです。
他にはぶちまけたい愚痴とか、大好きなゲームの話題とかetc.

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