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仔双子ミロ-Ⅱ

2013/07/23

私はミロと共に歩きだした…のだが、歩幅の差か、少しずつ遅れる私…

(全く忌々しい!普段の私ならば、ここは私が優雅にミロの手を取り然り気無くエスコートしつつ歩いている筈だ。
それをこんな…後ろからついて歩くなど…
こんな姿になった理由も元を正せばアイツが………)

等と考え、この姿になった経緯を再び思い出し、歯噛みしながらも遅れを取るまいと足早に歩き続けた…

「ごめん。小さい子と歩くなんて初めてだから…。」

ミロは私を振り返り立ち止まると、配慮が欠けたとすまなさそうな表情を見せ、そう言った。

「否…、私もまだ自分の体に慣れてなくて、自分の歩幅の事など考えてもみなかったし…」

ミロの表情に、私は得意の陶酔の世界の住人になりながらも、ミロに落ち度はないと言っておいた。…実は目の前がミロの尻と言う最上級のviewpointを堪能していたなどとは微塵も表に出さずに。

「こうやって歩けば大丈夫だよね。」

ミロはそう言い、ニッコリと微笑みながら私に手を差し出した。

(あぁ…何と言う麗しい…まるで女神の様な………)

目の前の光景に、私は陶酔の世界で感度の滝の涙を流していた。

「?
サガ?
手…繋いで歩こうと思ったんだけど…。」

手を差し出した意味を理解してないと思ったのか、ミロは少し困った様に言った。

「否…、意図は分かっているのだが…、形はこうだが、私も成人男性…
その…無闇に手を握るなど…相手のプライベートゾーンに浸………」

そう、本来の私の他人と関わる時の紳士的な態度で話している途中で、ミロは目を少し大きく見開くと

「手を握るって、今のサガの小さい手じゃ俺の手、握れないだろ」

ミロは悪戯っぽく笑うと、私の手を包み込む様に握った。

突然の事に驚愕しながらも、自分の形が幼子なのだと痛感させられた。
何よりもミロに私が幼子に接する様にしか見られていないと言う事を痛感させられた。
だが、ミロと手を繋いでいると言う状況に嬉々としてしまった。

(今はこの状況を楽しもう。)

私の十八番、陶酔の世界に行っている場合ではない。
私はこの現実の世界を楽しむ事にした。

「でさぁ、サガは何で子供の姿になっちゃった訳?」

「私は…ミロも察してるかも知れないが人間界の住人ではないのだ…」

「うん。分かってるよ。
普通…起こり得ないだろうからね。」

「実は…私は魔力を持つ種族の者で…
ミロは驚かないのか…?」

「ん?もう驚かないよ。さっきも言ったじゃん。理屈や常識だけじゃ説明出来ない不思議な事も起こる時が有るって。
人が知らないだけで、案外色んな種族が共存してるのかもよ?」

(何と可愛い微笑みなのか…)

私はミロを見上げ、そう思った。
思ったと同時に、何故ミロはすんなり受け入れられる?何故この人間が寄り付かない森に居た?等の疑問も沸いた。
だが、今はミロの質問に答えているのだ。

「そうか…。
私には双子の弟がいるのだが…
この弟が全くろくでもない愚弟で、事有る事に私の神経を逆撫でする。
自分で飯一つ作らんくせに私が作った食事にケチばかりつけ!部屋を散らかしても塵一つ拾おうともせん!
フラフラフラフラ遊び呆けてばかりで職務も怠け私に尻拭いを………!」

ついつい、双子の弟の事を話し始めると、愚痴が出、怒りが込み上げ、怒りで魔力が沸き上がった。

「ちょっ…ちょっと、サガ、落ち着いて…。」

ミロは私の怒気を孕んだ魔力に驚いたのか、慌てて私を止めた。

「すまない。ついつい愚弟の愚行を思い出したら怒りが込み上げ…
…私もまだまだ未熟だ…
何時も愚弟の愚行をたしなめると、愚弟が口答えばかりしおって…
それに私も頭に血が上り、魔力を高めてしまうのだ…
幸か不幸か、我々は種族の中でも高い魔力を持つ部類に入る…
我々が高めた魔力は凄まじい破壊力となり、我々の住む場所の至る所を破壊してしまった…
その事で、我々の長に魔力の弱い幼子の姿に変えられてしまったのだ…」

我ながら情けない。
愚弟が原因とは言え、自分が未熟なのも事実だ。
溜め息しか出ない。

「そうなんだ。
サガって落ち着いてそうで結構短気なんだな。」

何故かミロは楽しそうにクスクス笑った。

「でもさ、その長って凄いんだな。
凄い魔力を持ってるサガ達を子供に変えちゃうなんてな。」

(…ミロは…
私を和ます為にこんな事を…?…なら、何て優しい心の持ち主なのか!
それとも…天然なのか…?…なら、それはそれで何て可愛い…!)

私は愚弟に対する苛立ちを陶酔の世界に入る事で浄化していた。

「サガが子供の姿になった理由は分かったけど、何でこっちに来たの?」

ミロの声で現実に戻される。

(ミロの声で至福の時間から、ミロの居る素晴らしい現実に戻される…
何と言う至高の瞬き、無粋な目覚まし時計の音とは天と海底の差だな…)

現実に戻された刹那、陶酔の世界に足を踏み入れそうになったが何とか踏みとどまり

「う…うむ…。
大概、愚弟の愚行に嫌気がさしていた私は…、今回の事で怒りが爆発して…
………
…飛び出して…来た…のだ…。」

流石に、自分でも気恥ずかしく、気まずく答えた。
すると、ミロは目を丸くした後、吹き出した。

「あはははは。
…ご、ごめん…何かさ、サガって結構人間味溢れる性格なんだなって思って…
何か嬉しくって…、俺、そう言う人好きだ。」

デデ~ン!!!
まるで7つの玉と龍の神が関係する話の衝撃音の様に衝撃が!!!

(い、い、今、何と!?
嬉しい…
好き…
嬉しい…
好き…
ミロが!嬉しい!
ミロが!すすす…好きと!!!)

私の周りを天使が舞い、祝福のラッパを奏で、愛の神が私に微笑んでくださり
兎に角舞い上がっていた。
私が鯛や鮃ならば舞い踊っていただろう。
答えなければ、答えなければ!
私は精一杯落ち着いて…

「私が人間味溢れる性格だと…
そう思うか?自分ではそう思わないのだが…」

「ふふっ、俺はそう思うよ。
着いたよ。此処が俺ん家。」

鬱蒼とした森を抜けた直ぐの所に、綺麗なコテージ…小振りなカントリーハウスの様な感じもする。
テラスの周りには美しい紅い薔薇が咲き誇っている。
ミロに美しい紅色がよく似合うと思った。
だがしかし…、森を抜けたとは言え、此処はまだまだ木々の生い茂る人が住む様な場所ではないと思われる
ミロ…何故に…

「入って入って。
適当に寛いでて、お茶入れてくるね。」

ミロに招き入れられ、部屋に一歩踏み入れた私に、ミロはそう告げとキッチンが有るのであろう方に姿を消した。
私はとりあえず目の前に有るソファーに大人しく腰掛け…
…たかったのだが、腰掛ける高さが私の腰掛ける高さより高い…
私は尻から飛び乗る様に腰掛け…

(足が…床に着かない…)

自分が幼子の姿なのだと分かってはいても、やはり痛感する。
軽くショックを受けていると…

「おまちどおさま。」

盆にティーセットを乗せ戻って来た。
目の前のテーブルに置かれたカップに手をのばした…
…が、届かない。

(またか…)

私はソファーの上で尻をズリズリと移動させ、前のめりになりカップを持つ。
それを見ながら紅茶を啜っていたミロは

「単刀直入に聞くけど、これからどうすんの?」

「怒りを爆発させ飛び出して来たのだ…、そう簡単には帰れぬだろう…。」

「だろうね…、そう言うと思ったよ。
それで、帰らないとして、どうすんの?所謂、衣食住…
ってかね…、え~い!面倒!ハッキリ言うけど、サガ、こっちで寝泊まりする所無いだろ、俺ん家に住めよ。帰りたくなる迄。
決まりな。これは決定。覆らないから。」

私が口を挟む余地を与えない位一気に捲し立て、覆らない決定事項だと言われ茫然とする私…

(…いくら中身が成人とは言え、この幼子の姿を前に一気に捲し立て、決定、覆らないなどと…
ミロ、良く言えば、純真無垢、正に天使。
ミロの純真無垢さに酔いしれたいが…ここは我慢だ…
うぅ…誰だ…頭の中で「酔いしれろ」と声が…
気のせいだ。そんな事が有る筈もない。
悪く言えば、子供っぽ………ゴホン!ミロは純真無垢なのだ。
だがしかし…唐突に私の意思に関係なく同居が決定とは…否…最早何も言うまい…
…何か私にはしっくりこない言い回しだ…
否々!何も言うまいではない!言わないと駄目だろう!)

「ミロ…」

「何?反論は受け付けないから。
勝手だと思うだろうけど、サガは大人だから絶対遠慮するだろ?でも、子供の姿で寝る所もない食べ物もないなんて死んじゃうよ!だから!勝手に決めちゃう!」

「………
ミロ…、ありがとう。世話になる。」

「うん。遠慮すんなよ。此処はサガの我が家だ。」

私の感謝の言葉に、瞳と顔を耀かせて喜ぶミロ。

(ミロ…お前は何と愛らしいのか…天使だ…天使が舞い降りた…
ミロと同居…
ミロと同居…
ミロと同居…
…………)

喜びと興奮の余り、私の頭の中はメルトダウンした様だ…。


一旦終わります。
今回は遊び過ぎましたねm(__)m
リアとかカミュの台詞とか黒サガ出てきそうな…とか(^^;
サガさんがイタイ人からヤバイ人になってしまいました(>_<)
サガさん、ごめんなさいm(__)m
カノンさんはストレートに気持ちや感情を出して、サガさんは冷静沈着、表面からは中身は計り知れない…けど、中身はカノンさんと似た者同士、やっぱりおんなじ双子さ~♪(←おそまつくん)で…駄目?(>_<)
今回、海関係が何度か出たのはカノンオマージュです(笑)
紅色とか薔薇とか…何方かも出てきそうな感じを残してみました。










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プロフィール

尾羽っSUN

Author:尾羽っSUN
オバハンが言いたいけど他で言えないって事をほざいてます。
主に腐話。主に聖闘士星矢。主に脳内妄想。
カミュミロが主のミロ受けがメインです。
他にはぶちまけたい愚痴とか、大好きなゲームの話題とかetc.

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