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追憶1

2021/01/11

キャハハと幸せそうな声をあげ隣にいる人物にしがみつく可愛らしい女性と幸せそうな表情をした一組の男女とすれ違う。
特に意識はせずに微笑ましく思いすれ違った男女の後ろ姿を振り返る。
そのまま足を止め暖かな光を注ぐ太陽を見上げる。

(俺の相手はどこにいるのかなぁ…)

僅かな時間だけで見上げた顔を正面に向け、日の光を受け輝く金の髪をふわりとさせまた向かっていた方向に歩き始める。

帰宅したその人物は壁に掛けられたカレンダーをチラリと見る。

(俺が生まれ育った西暦と全然違う…。)

自分が二十歳である今迄の記憶が全く無い…。
自分を産み育ててくれたであろう両親や家族の記憶が全く無い。
 
自分が持っている記憶はギリシャの太陽の下、幼い自分がなついていた青い髪の少年
ーサガー

蠍座の黄金聖衣を身にまとい、蠍座の黄金聖闘士として生きて闘い抜き最後に正義の為に仲間達と散った記憶。

それから、気が付けばここにいた、
最後に散った時の年齢で、それ迄の成長の日々の記憶を全く持たずにここにいた、

不思議に思いながらも、特に不便も無く何時から交流があるのか全く知らない学友と楽しい一時を過ごす大学生として生活している。

彼が帰宅し、やはり不思議に思っていた日とはまた別の日。
学友達と講義の後遊びに出かけ、楽しんだ後皆と別れ帰路に着いていたその時

自分の記憶にある見間違える筈の無い人物を見かけた。
間違える筈が無い!こんなに綺麗な紅が他の誰にあろうか!

そう確信する彼は躊躇い無くその人物に近付く。

「こんばんは。」

彼に声をかけられた人物は、紅の髪をさらりと流れさせながら明らかに不信に思う表情を張り付けながら彼の方に振り向く。

「何だ…?」

声のトーンから明らかに不信感を持っている事が分かる。

振り返えった人物は彼の姿を見ても不信感を持った表情を張り付けたままであった。

「ん~…『何だ?』と聞かれたら…ん、まぁ…ナンパ?」

嘗て幾度と無く彼の目の前に立つ人物に見せてきたであろう親しみに溢れた笑顔で応える。
だが、目の前の人物は表情は崩さず眉をピクリと一瞬しならせ不愉快な気持ちを表す。

(な~んか…子供の時に見た事ある表情だし…)

幼い金のモフモフが初めて紅の持ち主と会った時にされた表情を思い出す。

「そんなに怒った顔しないでくれない?」

「人を不愉快にさせて怒るなとはな。」

(はるかむか~しに聞いた事ある台詞だなぁ♪本当は見た目からは想像出来ない位に変な奴のくせに♪)

あまりにも素っ気ない態度だが、彼にとっては間違い無く記憶にある紅の人物であると確信し思わず口角が上がる。

口角が上がる理由が分からない目の前の人物は気分を損ねたのであろう、踵を返し立ち去ろうとする。

「あ!ちょっと!待ってよ!カミュ!」

彼の中には記憶があっても、記憶の中の紅の持ち主と同一人物であろう目の前の人物は自分の事を知らない…。
知らないどころか彼に不信感を抱き不愉快に思っている。
そんな相手の名前を口にすれば更に不信感が増すだろう。
だから、そんな簡単に彼の人物の名前を口に出そうとは微塵も思っていなかったが、全く取り付く島も無いまま去ろうとする彼の人物に慌てて思わず口に出してしまった…。




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転生?モノですかね✨
早くカミュに記憶取り戻してもらいたい!
続き、楽しみに待ってます❗🙌

転生?モノですかね✨
早くカミュに記憶取り戻してもらいたい!
続き、楽しみに待ってます❗🙌
プロフィール

尾羽っSUN

Author:尾羽っSUN
オバハンが言いたいけど他で言えないって事をほざいてます。
主に腐話。主に聖闘士星矢。主に脳内妄想。
カミュミロが主のミロ受けがメインです。
他にはぶちまけたい愚痴とか、大好きなゲームの話題とかetc.

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