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追憶5

2021/01/15

スタッと音も無く紅い髪の人物の目の前に舞い降りる。

「な………!急に……どこから……お前!」

急に目の前に人が表れ驚きを隠せず文にならない言葉を並べる。

周りの者達には目で追える速さでない為に逆に不自然さを感じる事も無く平然と各々の目的地に向かう歩みを止める者はいなかった。

「こんにちは。
どこからって聞かれたら…、カミュの記憶の中から…かな?」

「何をふざけた事を………。」

「何が目的だ………?」

「あれ?もしかして俺の事知ってる感じ?」

「お前の事なぞ知らん。」

「知らないのに『何が目的か?』なんて思うんだ。」

「………。知らん………。
知らんが…お前の容姿の奴を不快に思った事だけ覚えている…。」

「『覚えている』…?」

「…くっ…。
…何故お前に詳しく話す必要がある。」

(何時か見た事ある様な表情と言い方だなぁ♪)

「そうか…。」

カミュは目の前の前の人物を睨み付ける目付きを緩めない。

「でも、接触した時の事は記憶に残るんだ。そっか…。」

「何…だ?」

目の前の人物のカミュにとっては意味不明な発言に警戒を強める。

カミュの警戒するベクトルの向きの予想を裏切ってミロはカミュの両頬を包み込むと口付け唇を離す。

戸惑う暇など無い位の速さの一瞬の出来事。

「!?」

動きを把握する事の出来ぬ速さ故に当のカミュにも何が起こったのか分かっていない様だ。

「思い出して。
後で何があったか思い出して、悔しがって怒れば良いよ。
憎悪でも良い…。カミュの感情を俺に向けて。俺の事を考えて。」

ミロはそう言い残すと去って行った。
カミュには目で追え無い速さで、一瞬に目の前から消えた様に思わせて。

(な…何が起こった…?)

帰宅したミロはベッドに身を投げ出し天井を見つめ、カミュの唇に触れた感触を確かめる様に人差し指で唇に触れる。
少し意識してみたが指先は何の変化も見せずに唇に触れたままである。

(まだ…か。)

何時の間に眠りに落ちたのだろう。
夢か現か暗闇の中で立っている。目を凝らしてても何も見えず、周りに何の気配も感じられない。
暫く立ち尽くしていると何かが有る様な気配を感じる。
そちらに向かって足を進めてみると、蠍が描かれた黄金の箱の様な物を見つける。

「…………。」

無言で暫し見つめ、そっと手でその黄金の箱に触れてみる。
箱は何も変わらずただそこに静かに佇んでいる。

(そう………。)

箱に触れた手を離すと、箱の側に腰を下ろす。

「触れる事は出来るのか。」

(触れる事は許してくれるのか…。
でも、まだ完全に認めてはくれんのか。
そうか…。足らないのか…。)

ニッと口角を上げる。

(カミュに思い出してもらわないとな。)









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プロフィール

尾羽っSUN

Author:尾羽っSUN
オバハンが言いたいけど他で言えないって事をほざいてます。
主に腐話。主に聖闘士星矢。主に脳内妄想。
カミュミロが主のミロ受けがメインです。
他にはぶちまけたい愚痴とか、大好きなゲームの話題とかetc.

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