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追憶7

2021/01/17

再びカミュと接触出来たミロはその日もまた暗闇に佇む本来自分が纏うべき聖衣箱と対峙する。
触れてみても聖衣箱は変わらず静かに佇んでいる。

(小宇宙を感じるってどうやるんだっけ…?
小宇宙を燃やすってどうやるんだっけ…?)

分からない…。
分からないが、「要は小宇宙です」と言われる存在は思い出している。

分からないなりに只頭と心の中で強く念じてみる。
右手の指先に集中する様に力を入れてみる。

「フーッ…。」

集中する力を抜きため息をつく。

ミロは聖衣箱の傍らに座り体を凭れかける。
何も考えずに体の力を抜き体は預け目を閉じる。

普通ならば落ち着かない硬い感触に妙に安らぎを感じ、穏やかな気持ちのまま凭れ続ける。
穏やかな気持ちで安らぎを感じると微睡みに落ちやすい。

目を覚ましたミロは勿論聖衣箱に身を預けてなどいない。
あの場所の事は夢か現か分からない。
分からないが現ではないのであろう。
だが、ミロが目を覚ましたこの場所も本当の現では無い事も理解していた。

目が覚めた時に自分が置かれている世界でカミュの気配を探るの事はもう動作も無い様になっている。

(またこの時代でのカミュが置かれた立場での生活があるだろうからな。日中は大人しく待っていようか。)

時間潰しにまた時代が変化しただけだと分かる同じ街をフラフラとしながらカミュが帰路に着くであろう夜を大人しく待つ。

「お疲れ♪」

この街での1日を終え様とするカミュの前に現れる。

「………。やはり来たのか…。」

また警戒され攻撃的な態度を取られるかと思っていたミロは、カミュの発した言葉が予想外で少々驚いた。

「歓迎はされていないみたいだけど、突っぱねられなくて良かった。」

ミロは笑顔で応える。

「当たり前だ。お前が怪しいと思っている事には変わりはない。歓迎などする訳が無かろう。」  
     
「それって酷くない?」

予想外で嬉しく思う事を素直に言葉にしたが、予想通りの相変も変わらず警戒を解かない返答に冗談混じりで反応してみる。

「理解し難い状態に置かれそれを共用出来る者がいると言うならば、そいつから情報を引き出す方が現実的だろう。」

「成る程。その考えには同意だな。」

ミロの肯定的な態度を確認し、

「赤裸に答えろ。一体何が起こっている?」

「何が起こってるかは俺にも分からない。
俺が分かる事は俺もカミュも本来ならいる筈の場所にいないって事。
この年齢になる迄に過ごしてきている筈の記憶は全く無くて、突然さも生まれてからずっと過ごしてきたのが当然の様な人物として自分を取り巻く環境や人間関係も形成されている。
何故かそれも数日程で置かれていた何年も先に、自分自身は自分のままなのにまたさっき言った様な同じ状態になっているって事。
それから、何年も先に置かれる前に過ごしていた数日分の記憶はしっかり覚えていて、その数日前に一緒に過ごしていた人物が歳を重ねている事を知って、その事に気が付いた。
そんな感じ。」

「私と同じだ…。
しかしだ!何故お前は私の事を知っている!?
『本来ならいる筈の場所』だと!?どこだと言うのだ!?何故お前には分かる!?」

「そんなの俺にも分からないよ!
その変なループ的な事が起こる前に、成長過程の記憶は無いのに何か不思議なよく分からない記憶を持ってた!だから、本来ならいる筈の場所なんじゃないかと思っただけだ!」

二人して声を荒げたせいか、たまに通る疎らな通行人が振り返ったり連れの者とひそひそ話をしている。

「チッ…。
…仕方がない…。ちょっと着いてこい。」

「どこに…?」

「私の家だ。いくら何れ違う状況に置かれるとは言え話の内容が内容だ…。周りの人間に妙な噂は立てられたくはない。
まだ聞きたい事は有る。
だが、妙な気は起こすな。」

疎らとは言え、通行人の目に気付いたカミュは舌打ちをし場所を変える事にする。

「分かった。
けど、それはカミュ次第って事になるかも…。」

「ふざけるな!」

カミュはミロを連れ立って歩き出した。





                                                    









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プロフィール

尾羽っSUN

Author:尾羽っSUN
オバハンが言いたいけど他で言えないって事をほざいてます。
主に腐話。主に聖闘士星矢。主に脳内妄想。
カミュミロが主のミロ受けがメインです。
他にはぶちまけたい愚痴とか、大好きなゲームの話題とかetc.

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