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追憶15

2021/02/06

微睡み落ちた二人はあの漆黒の中で向かい合って立っている。
一度二人がこの漆黒の中で繰り広げられた様な会話が繰り広げられていた。

「それでも不安に駆られる私は………。」

「カミュ…。」

「…お前はそうやって………。」

「カミュ…。」

幾つの言葉を重ねるよりも伝わる様にミロはカミュの手を取り軽く力を込め握る。
カミュにも十分過ぎる程にミロが本心である事は伝わっている。
だが、だからこそなのだろう。その様な言葉を口にするのは…。

「分かっている…。お前に………お前に甘えきった私は………。
そんな私が…………。
見捨てられたら………。」

「絶対にない。」

ミロはカミュを優しく抱きしめる。

「何があっても。」

「このまま………。この漆黒の闇がお前の言う本来いるべき場所にならなくても………。」

「それでも俺はカミュの側にいる。何があってもな。」

「この漆黒の闇の中に一生お前を捕らえる事になっても…お前を離してやる事はできぬ事になるかも知れないぞ………。」

「構わない。この闇が続くと言うならば、それが新たに俺がいるべき場所だ。」

「ミロ…。…何度もお前を傷付ける様な事があるやも知れぬぞ…。」

「承知の上だ。」

カミュは力いっぱい強くミロを抱きしめる。

「後悔しても知らぬぞ…。」

「後悔などしない。カミュと共にいる場所以外に俺のいるべき場所はない。」

「後悔しても離してやらん。何度お前を傷付ける事があってもだ。」

「それは俺の台詞だ。何が起ころうと次に会った時はまたカミュは俺の大事な人だ。一生変わる事はない。何度でも新たにカミュと共に生きる。」

「ミロ…。」


「カミュ、起きろ。」

ミロは眠るカミュの頬をプニプニと人差し指でつつく。

「起きろってば。」

カミュの頬をつつく人差し指の爪を紅く尖らせつつく。

「…ん…。うぅ…。」

眠るカミュの眉間に皺が寄る。

「アテナがお戻りなされたぞ。」

カミュの瞼がゆっくりと開く。
カミュの目がとらえた天井を見て飛び起き辺りを見回す。

「おはよう。」

宝瓶宮の自室のベッドに腰かけるミロが声をかける。

「私は何を………。夢………?」

「夢…だったのかもな…。」

「ミロ…?
夢…ではなかった…のか…?」

「分からない。
分からないけど…、意識が暗闇の中をさ迷ってたらカミュが何度も俺の事を呼んでたから…。カミュの所に行かないとって思ったら、気が付けばあそこにいた。」

「そう…なのか…。」

「カミュの声が凄く苦しそうだったからな…。助けてあげないとって思ったからかな…。」

「ミロ…。
ミロ…、私は…………。」

「もうその話は散々しただろ?何度でも俺の答えは変わらないがな。」

屈託のない笑顔をカミュに向けそう答える。

「ミロ…。」

「うわっ…ちょっ…!急に何…!?」

ミロはベッドに腰かけた体勢のまま斜めに寝転ぶ様にカミュに組み敷かれる。

「ミロがあの時言っていた。私のとる行動パターンとやらはこう言う事だろうか?」

「プッ…!」

カミュの言葉に、ポカンと急な動きのカミュを見上げていたミロは思わず吹き出す。

「お前…、本当…。いや…、カミュらしいわ。」

「何時ものカミュだな」と可笑しくなり、それが何よりも嬉しいミロは笑顔になる。
変わらぬ自分達が嬉しく思い

「やっぱり雪国って寒いな。川の中滅茶苦茶冷たかったぞ。」

つい意地悪い事も言ってみたくなる。

ミロの首筋に顔を埋め耳たぶを甘噛みしていたカミュははたと顔を上げ、

「後悔はしないとあれ程………。」

曇った表情を浮かべるカミュの言葉を遮る為にミロはわざと口を挟む。

「二言はない。
…けど…、」

「…けど…?」

「お前…元気だな…。」

多少呆れた感じの音の声で笑いながらそう付け加える。

「寝起きが一番元気なものだからな。」

「ダブルミーニング。」

カミュの答えに笑いながらそう言いつつも

「愛してるぞ、カミュ。」

「私はミロ以上に…だ。」

お終い








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非公開コメント

良きラスト!
戻ってきて良かった!
お互いラブ同士なのに片方の記憶がなかなか戻らない様にヤキモキさせられつつ、切なかったりしつつ、楽しく読ませていただきました(о´∀`о)
プロフィール

尾羽っSUN

Author:尾羽っSUN
オバハンが言いたいけど他で言えないって事をほざいてます。
主に腐話。主に聖闘士星矢。主に脳内妄想。
カミュミロが主のミロ受けがメインです。
他にはぶちまけたい愚痴とか、大好きなゲームの話題とかetc.

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